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重版のお知らせ───小野智美編『女川一中生の句 あの日から』
(ISBN 978-4-904702-46-8 C1071 2014年7月刊行)
重版に伴い、3月中旬より、本体価格を900円から1,000円に改定させていただきます。
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光嶋裕介『幻想都市風景──建築家・光嶋裕介ドローイング集』
¥3,190
四六判 並製 144頁 トリプルトーン印刷 袋とじ製本 本体価格 2,900円+税 ISBN 978-4-904702-34-5 C1071 2012年6月刊行 ブックデザイン 原研哉+大橋香菜子 印刷・製本 サンエムカラー 【日英併記】 *個展情報 森岡書店(ドローイング展) 2012年5月21日(月)~6月2日(土) ときの忘れもの(版画展) 2012年5月29日(火)~6月9日(土) ▼概要 「凱風館」への道 内田樹邸「凱風館」(道場兼住宅)を設計した建築家・光嶋裕介のドローイング集。旅のスケッチと地平線で続く記憶の風景はやがて処女作「凱風館」へと繋がる。 光嶋君の絵が粒子の集合だったので、僕はとっても嬉しくなりました。僕は世界は粒子の集合体だと考えています。粒子がないと生物は不安になります。粒子によって自分と世界の関係を確認できるからです。 ──隈 研吾 [収録テキスト] 光嶋裕介「“希望の建築”をめざして──建築家になるまでの地平線」 内田 樹「テクノロジカルな付喪神たち」 ▼プロフィール 光嶋裕介(こうしま ゆうすけ) 建築家、ドイツ建築家協会会員、一級建築士 1979年 米国ニュージャージー州生まれ。以降、奈良、カナダ、イギリス、東京で育ち、2004年早稲田大学大学院修士課程建築学専攻(石山修武研究室)卒業後、ザウアブルッフ・ハットン・アーキテクツ(ベルリン)に就職。2008年 ドイツより帰国し、光嶋裕介建築設計事務所を主宰。2011年 SDレビュー入選「凱風館」。現在、首都大学東京助教、桑沢デザイン研究所非常勤講師。ほぼ日刊イトイ新聞にて連載の「みんなの家。建築家一年生の初仕事」が、2012年7月に アルテスパブリッシングより単行本化。 光嶋裕介建築設計事務所 http://www.ykas.jp/ ほぼ日刊イトイ新聞 連載 「みんなの家。」http://www.1101.com/ourhome/index.html MATOGROSSO(マトグロッソ) 連載 「放課後のベルリン」http://matogrosso.jp/berlin/berlin-01.html
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小野智美『50とよばれたトキ──飼育員たちとの日々』
¥2,090
四六判 並製 208頁(カラー口絵8頁) 本体価格 1,900円+税 ISBN 978-4-904702-33-8 C0095 2012年5月刊行 ブックデザイン 有山達也+中島美佳(アリヤマデザインストア) 装画・挿画 がんも大二 印刷 精興社 製本 牧製本印刷 ▼書評・記事 佐渡のトキの話題や、トキに関わる取り組み、地域づくりなどを紹介するサイト「佐渡トキの話題」に『50とよばれたトキ』が紹介されました。 http://sado-toki-no-wadai.cocolog-nifty.com/sadozo/2012/07/post-ef40.html 『季刊ritokei(リトケイ)』2016年秋号(NO.18)「島Books & Cluture~Topics 島をより深く味わう1冊」 ▼概要 帽子に救われたトキ 真っ白なおしりから、光る卵がこぼれおちた。 帽子の中へすとん──「うわっ」 新米飼育員がとっさに受けとめた卵から生まれた50は、戦後の佐渡島で人の手によって育てられる五十番目のトキ。50とその家族、佐渡トキ保護センターの人々との、にぎやかでせつない毎日をつづる。 きれい好きで、おくびょうで、きちょうめんで、けなげなトキ。顔は真っ黒から灰色、レモン色、オレンジ色、そして赤色へ。羽は真っ白だったり、灰色に染まったり、朱鷺色に輝いたり。──知られてこなかったトキの多彩な姿を描く [目次] 50とその家族 佐渡トキ保護センターの案内図 佐渡トキ保護センターの紹介 はじめに──帽子で救われた卵 1章 初めての卵 飼育員になる/獣医師に会う/握手をかわす/弟子と師匠/キンに会う/卵を助ける 2章 名のない子 呼吸する卵/卵が動いた/さかごの卵/ヒナの誕生/えさを作る/失敗をこえて 3章 巣立ちの日 洗面器で日光浴/やさしいオス/ヒナたちの成長/ホオアカトキの子/八羽で引越し/わが家 4章 50の結婚 ドジョウだいすき/キンの小指/別れの朝/運命のリング/たたかう親/お見合いの日 5章 母になる日 こだわりの巣作り/初めての子育て/川の字/危機一髪/ストレス/ヒナの骨折 6章 共に歩んだ きずな/卵の法則/山の訓練所/冬の事故/大事な子/娘の旅立ち おわりに──飛ばせない飼育員 解説 保護の歴史/里のくらし/道拓いた人/導いたトキ/えさの開発 あとがき 登場人物の紹介 ▼プロフィール 小野 智美(おの さとみ) 朝日新聞記者。1965年名古屋市生まれ。88年、早稲田大学第一文学部を卒業後、朝日新聞社に入社。静岡支局、長野支局、政治部、アエラ編集部などを経て、2005年に新潟総局、07年に佐渡支局。08年から東京本社。09年9月に人事セクション採用担当課長。2011年9月から仙台総局。宮城県女川町などを担当。東松島市在住。 装画・挿画 がんも大二(がんも だいに) http://ganmodaini.com/website/ganmodaini.html 愛知県生まれ。絵本 『パトさん』(羽鳥書店、2011年)
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港千尋『掌の縄文』
¥4,400
B5判変型 上製 112頁 ダブルトーン印刷 本体価格 4,000円+税 ISBN 978-4-904702-32-1 C0072 2012年3月刊行 ブックデザイン 有山達也+中島美佳(アリヤマデザインストア) 印刷・製本 サンエムカラー 【日英併記】 ▼書評・記事 ▼概要 縄文に触る なで、さすり、つかみ、かかえ、もちあげる ── 5000 年の時を超えて蘇る土器・土偶の表情 人の手に抱かれた縄文土器・土偶の写真集。 写真家・港千尋が目を奪われた、土器を素手で持つ光景。見られるための展示品ではない、触られるために存在する土器や土偶の表情を、人の手とともに浮かびあがらせる。収録テキスト「抱かれた時間」では、岡本太郎が撮った、掌にのる縄文土器の写真を紹介。クロード・レヴィ=ストロースが縄文について語った唯一の文章「縄文展カタログ序文」(1998年、パリ日本文化会館にて開催)も再録する。 ▼プロフィール 港 千尋(みなと ちひろ) 1960年神奈川県生まれ。大学在学中に南米各地に滞在して以来、これまで赤道や大西洋など世界各地の自然と文化を対象に撮影してきた。主著『記憶──「創造」と「想起」の力』(講談社、1996)でサントリー学芸賞、展覧会「市民の色chromatic citizen」で第31回伊奈信男賞を受賞(2006)するなど、テキストとイメージの両面で創作を続けている。2007年には第52回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展日本館コミッショナー、2008年には『HIROSHIMA 1958』(インスクリプト)の編集とキュレーションを務めるなど、幅広く活躍。主な写真集に『瞬間の山──形態創出と聖性』『文字の母たちLe Voyage Typographique』(以上インスクリプト、2001、2007)。近著に『レヴィ=ストロースの庭』(NTT出版、2008)、『書物の変──グーグルベルグの時代』(せりか書房、2010)、『パリを歩く』(NTT出版、2011)など。現在、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授、同芸術人類学研究所所員。
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ミヤケマイ『膜迷路 Down the Rabbit Hole』
¥5,280
A4判変型 並製 136頁 本体価格 4,800円+税 ISBN 978-4-904702-31-4 C1071 2012年1月刊行 ブックデザイン 有山達也+岩渕恵子(アリヤマデザインストア) 撮影 久家靖秀、繁田諭 他 印刷・製本 サンエムカラー 【日英併記】 *個展情報 「膜迷路 -Down the Rabbit Hole-」 Bunkamura Gallery(渋谷) 2011年12月23日~ 1月12日 http://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/111223miyake.html 個展タイトルを「膜迷路」と題し、3月兎(兎年の3月に起こった東日本大震災より着想を得ている)を追って穴に落ち、まるで不思議の国のアリスの世界に迷い込んでしまったかのごとく、平衡感覚や自分の常識に対して揺らぎを感じる日常の世界を、ミヤケマイならではのピュアでありながら毒のある独特な世界で展開する。 あるひとつの物事でも、見る視点によって、見えたり、歪んだり、見えなくなったりすることは誰にでもあること。世界には様々な解釈や理解の方法がある中で、人は自分の立ち位置によって、見える世界が違うのだというメッセージが込められたミヤケのハニカム構造体を用いた作品群など多数展示販売予定。 ベースにあるテーマは、「人の物差しを疑うより、自分の物差しを疑え」だと語るミヤケマイ。ミヤケは、これまでに数多くのギャラリーや美術館、アートフェアでの展示、さらには企業とのコラボレーションや本の装丁など、多岐に渡る活動を通じて進化を続けてきた。Bunkamura Galleryでは過去に2回の個展を開催。前回の個展の後、パリのエコール・デ・ボザールへの留学などを経験したミヤケマイが、5年の歳月を経てBunkamuraに帰ってくる。 個展の紹介記事「弐代目・青い日記帳」(2011/12/26) http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2725 ▼概要 それでも世界はうつくしい ミヤケマイ最新作品集 2011年展覧会──壺中居「八百萬」(東京)、FINE ART ASIA 2011(香港)、横浜市民ギャラリー「ニューアート展 NEXT 2011 Sparkling Days」(横浜)、Bunkamura Gallery「膜迷路:Down the Rabbit Hole」(東京)──を中心に、最新作69点収録。ハニカム構造の作品群や日本美術のDNAをうけつぐ掛軸など、光と陰をたくみに用いながら天衣無縫に展開するミヤケマイの“2.5次元”世界を堪能する決定版作品集。 [寄稿] 浅井俊裕(水戸芸術館現代美術センター芸術監督) 内田真由美(アートコーディネーター) 中島利充(壺中居) 萩尾望都(漫画家) ▼プロフィール ミヤケマイ 横浜生まれ。独学。2001年より作家活動を開始。日本独自の感覚に立脚しながら、展示される空間を生かし、繊細かつ大胆にサイトスペシフィックな作品を展開する作家。画廊や美術館、アートフェアでの展示のみならず、企業とのコラボレーション(銀座メゾンエルメス、高島屋、森美術館ミュージアムショップなど)、本の装丁など、活動は多岐にわたる。2008-9年、奨学金を得て、Ecole Nationale superieur des Beaux-Arts(パリ国立美術大学大学院)に留学。2010年ドゥラメール・フィメール・アーティストアワードを受賞。作品集『おかえりなさい』(版画廊、2005年)、『ココでないドコか Forget me not』(芸術新聞社、2008年)。 公式HP http://www.maimiyake.com/
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高山宏『夢十夜を十夜で』(はとり文庫003)
¥1,650
A6判 並製 312頁 本体価格 1,500円+税 ISBN 978-4-904702-30-7 C0070 2011年12月刊行 ブックデザイン 原研哉+中村晋平+大橋香菜子 印刷・製本 大日本法令印刷 *重版に際しまして、本体価格の変更をさせていただきました。1300円から1500円となります。ご了承ください。 (市場に流通している初版は1300円のままです。価格は、本体に記されているバーコードと本体価格表記に応じます) ▼書評・記事 ▼概要 大冊『新人文感覚』全2巻『風神の袋』『雷神の撥』に続く、高山宏の新境地。 学生たちと読み解く夏目漱石『夢十夜』の世界。書き下ろし300枚。驚きの想像力を発揮する学生たちと教師・高山宏との白熱コラボレーションが、 漱石研究へ新たな一石を投じる。 ▼プロフィール 高山 宏(たかやま ひろし) 1947年、岩手県久慈市生まれ。現在、大妻女子大学比較文化学部教授。 1968年刊行の『観念史事典』に魅了され、学の行き詰りがどういう感覚のどういう人々によって突破されるかの構造と歴史を追うのに夢中となり、結果的に領域横断的試みを続けるもの書きの一人となる。翻訳の質量は伝説的で、本人自身は翻訳家、最近はアート(Art/Ars)の人としての自覚が強い。別名学魔。 著訳書多数。代表作と本人信じるのは依然として「アリス狩り」4部作『アリス狩り』『目の中の劇場』『メデューサの知』『綺想の饗宴』(青土社)。翻訳ではロザリー・L・コリー『パラドクシア・エピデミカ』(白水社)。2011年に、合計2000頁近くにおよぶ大冊『新人文感覚』全2巻、『風神の袋』『雷神の撥』を刊行(羽鳥書店)。 高山 宏 『新人文感覚』全2巻 学魔・高山宏のここ15年間の集大成。全2巻、原稿枚数3500枚、図版840点。 数枚のエッセイから、60枚におよぶ論考まで、各87本収録。 『新人文感覚1 風神の袋』 『新人文感覚2 雷神の撥』
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高山宏『新人文感覚2 雷神の撥』
¥14,300
A5判 上製 1008頁 本体価格 13,000円+税 ISBN 978-4-904702-29-1 C0070 2011年11月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷 精興社 製本 牧製本印刷 *高山 宏 『新人文感覚』全2巻 学魔・高山宏のここ15年間の集大成。全2巻、原稿枚数3500枚、図版840点。 数枚のエッセイから、60枚におよぶ論考まで、各87本収録。 『新人文感覚1 風神の袋』 ▼書評・記事 ▼概要 各編タイトルの曲芸振りに始まり、 知の仏壇返す離れ業で本文を締める。 これじゃあ雷さまも撥鳴らして アンコール叫んじゃうタカヤマ文芸座! ──荒俣宏 (帯文より) フィギュラリズム、マンガ、笑い──マニエリスムの歴史と表象を闊歩する! [目次] 1 たかが英文学、されど英文学いのちがけ カタけりゃいいってもんじゃない──アルス・アマトリア論文術 桃山時代へスリップ・イン 図書館の五万数千冊のカード化に明け暮れた日々 マガジニズムという「小さな」マニエリスム 翻厄こんにゃく、或は命がけ 訳者の告白 この訳、機知甲斐ざたにつき──『フィネガンズ・ウェイク』解題 腐海の風景 キュアリアス・ビューティ──ウォルター・ペイター Born to be Wilde クリティックなんて「プー」!──A・A・ミルン文学の「プー」ラドックス プーはそこに降りて──子供部屋の中の森について 児童が問う百科、児童を問う百科 松岡正剛『遊学』 巽の方角に宝あり 椿説・由良君美の周辺 舞台吹き抜く松風のごとく 2 アリス・イン・ジ・アンダーグラウンド 1960s あまりにもボヘミアン──ルイス・キャロル新考 意味に風穴──六〇年代のキャロル・リヴァイヴァル 送──僕らは龍を殺せるか ラビリンスの時代 アリス・イン・フィギュアランド アリス・リミナル──ヤン・シュヴァンクマイエルとドロテア・タニング 「スラヴ」という世紀末的パラミーター 東欧が生んだ極上の不条理アート 「自然の歴史」のメタ映像化──ヤン・シュヴァンクマイエル作品集 アニメーティッド・ハウス──シュヴァンクマイエルとゴシック小説 69、何てエロチック──ヤン・コット追悼 ローマ発、異貌の英文学──マリオ・プラーツ マニエリスムのキケロー 新世紀シェイクスピア、いよいよ面白く──二〇〇〇年シェイクスピア祭記念講演 目を閉じて見る場所 パラドックスの毒 オンブロマニア──プロジェクションの近代史 四世紀たった今 近代的視覚空間の魅惑と閉塞を“視覚化”したやなぎみわの創意 夢の時間をありがとう 3 「マンガは萬画である」 こうしてくるんとひとまわり──絵本表象論・覚え メディア・コミックス──わずか四十年で四百年全表象史を駆け抜ける アニメーティングなもの──少しおおげさかも知れない 天真爛漫百貨店──『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』 ぼくらを救った青春球場──『巨人の星』 ちば漫画の魅力──コマの中の空間の広がり 一九六九、青春東大望都暮し 4 見えるものはこんなにも楽しい(Ⅱ)──表象論応用篇 フィギュラティーフ──マサンのコレクションに寄せて メディア・ポエティックス──『オルペウスの声』と『メディアの法則』 「カトリック・パラノイア」の二十一世紀への遺言──マクルーハン『メディアの法則』 レター・コンシャス 遅さの豊かさ──エピストラリー・モード 電話が十七世紀からかかってくる──テレフォニックス論 球体ミレ二ア 近代が載る奔放なテーブル──OEDへの感謝 辞書放蕩 インテリア・バード──鳥、女、表象 遊弋する図像──クジラのイメージ瞥見 商標図像学入門 ヨハネ黙示録の終末界を行く フォーリング──多岐にして不可解なる世紀末に 「鳥の目」の文化史 鳥の目と虫の目──鳥瞰の近代史 月へトリップ──戸川純 讃 建築的創造力 5 ホモ・リーデンス(笑うヒト)になる──山口昌男 讃 夥しさの図像学 「笑い」が癒す遠近法の中の近代──一九六〇年代後半の「方法としての笑い」 逆説を弄す安吾 馬なき騎士が荒地を行く──『モンティ・パイソン』と『ホーリー・グレイル』 スラップスティック・シックスティーズ──トランスパーソナル心理学と 境界走殺──世紀末、「走り」の意味論 しまいにゃ笑うぞ──天才たけしの元気が出る世紀末 「ぼくんち」と呼ばれた笑い 郷愁映画のような昭和二十年代 ある夜のマレビト 6 マニエリスム、今日は──種村季弘 讃 終りのはじまり──種村季弘先生追悼 さよなら、カマラーデ──若桑みどり先生追悼 前衛と求道──多木浩二先生追悼 身内と胎内──『失われた庭』の僕 細部近代論覚え メディアの中の忍者学──六方手裏剣に仮託されたマニエリスム時代のトリックスター あらかじめ否定された「あとがき」──澁澤龍彦『サド復活』 「常数」としてのマニエリスム──ホッケ『迷宮としての世界』 イギリスからはじめて、話しはドイツ、フランス、イタリアなどユーロ圏に及ぶ──ネオ・バロック小説のこと 怪物の世界──「凶事」としてのロマン ほう、ホッケ教! マニエリスムの翻訳、翻訳のマニエリスム エンサークルメント──冲しきが若し 物語としてのキュレーション 7 さよならだけが人生だ 往生の物語──二〇〇二年七月 雷神口上 初出一覧/事項索引/書名索引/人名索引 ▼プロフィール 高山 宏(たかやま ひろし) 1947年 岩手県に生まれる 1974年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了 現 在 大妻女子大学比較文化学部教授 [主要著書] 『アリス狩り』(青土社、1981、新版2008) 『テクスト世紀末』(ポーラ文化研究所、1992) 『ブック・カーニヴァル』(自由国民社、1995) 『カステロフィリア──記憶・建築・ピラネージ』(叢書メラヴィリア1、作品社、1996) 『エクスタシー──高山宏椀飯振舞I』(松柏社、2002) 『近代文化史入門──超英文学講義』(講談社学術文庫、2007)[『奇想天外・英文学講義』(講談社選書メチエ、2000)を改題] 『超人高山宏のつくりかた』(NTT出版、2007) 『かたち三昧』(羽鳥書店、2009) 『新人文感覚1 風神の袋』(羽鳥書店、2011) 『夢十夜を十夜で』(羽鳥書店、2011)
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高山宏『新人文感覚1 風神の袋』
¥13,200
A5判 上製 904頁 本体価格 12,000円+税 ISBN 978-4-904702-27-7 C0070 2011年8月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷 精興社 製本 牧製本印刷 *高山 宏 『新人文感覚』全2巻 学魔・高山宏のここ15年間の集大成。全2巻、原稿枚数3500枚、図版840点。 数枚のエッセイから、60枚におよぶ論考まで、各87本収録。 『新人文感覚2 雷神の撥』 ▼書評・記事 ▼概要 観相学やら聖俗学やらを、 語源風神が吹き飛ばす。 高山見ずして、本読むな。 ──松岡正剛 (帯文より) 18世紀、「歩く」「見る」ことから一挙に花開いていった、観相学(フィジオノミー)の発達、推理小説の技術革新、ピクチャレスクの旺盛、百科総覧による視覚文化の横溢を、洋の東西を往還しながら、絢爛豪華に展開。 *訂正 本書の内容につきまして訂正がありましたのでお知らせいたします。ご迷惑をおかけしますが、ご参照いただけますようお願いいたします。 『新人文感覚1 風神の袋』 正誤表(2011年8月11日) http://www.hatorishoten.co.jp/teisei_fujin.pdf [目次] 1 ホモ・アンブランス(歩くヒト)になる──歴史を「歩き」直す方法 ゆっくり歩く 見えてくる 歩く、見る、書く──フィジオノミーというメソッドについて 物量と記号が氾濫する時代には、「小説」がふさわしい デフォー、あるいは〈敵〉? 近代の寓話──ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』 暗号で書かれた日記──サミュエル・ピープス『日記』 性懲りもなく証拠──ドキュメントの近代史 風刺の黄金時代を嗤う もう結構な話──ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』 ポンス熱死 運命ヴィジュアル 破顔一笑の本 フィジオノミー世紀末──顔で歴史を読む 禿頭王の恥じに始まる──かつらの近代史異説 「自由」をかぶった近代人──かつらの文化史、一番肝心なこと ザッツ・キャラクタリスティック──気質文学東西 逸れるたのしさ──「キャラクターをめぐって」 2 見ることに洋の東西はない──視覚文化論実践篇 既知のように語っていいのだろうか──モダニズム管見 ただ絵を論じても仕方がない──ポー文学のヴィジュアリティ 啓蒙イギリスの本屋さん もの知り近代の初め──エフライム・チェンバーズ アクチュアライズする目──身体また十八世紀に発す 十八世紀の身体を開く 十八世紀の一時間旅行 トゥーンベリ『江戸参府随行記』 エレキテルと探偵──平賀源内と夏目漱石が視た光と闇 アッカーとアーカート──源内は立派に世界文学 青い目のキョクテイ 大江戸マニエリスム事はじめ──高田衛『新編 江戸幻想文学誌』 マニエリストの才覚──『西鶴諸国ばなし』 表現者は身に繍るひと──松田修 「むしろ迂愚のごとく」のすさまじさ──その激語は一層のアウラを 歌麿のShell Shock──『潮干のつと』購入に感謝 大江戸新美術史──スクリーチ『大江戸視覚革命』 外連ピクチャレスク 視覚的快楽の閉回路へ のぞく近代──襞と襞の戯れ 聖と俗とをとりまぜながら、エロティックな文学は人と人との関係を反映する ポルノの黄金時代 マニエリスムの恋人たち、または口ほどにもあるメタ・ポルノ 『エロトス』の女芯に──荒木経惟の「猥褻」 もっとタフなフェミニズムのために パテリアリズム批判の切れ味 3 見えるものはこんなにも楽しい(Ⅰ)──表象論基礎篇 タブローのかたちをした空間──『言葉と物』と一九六〇年代 フーコー、跼蹐せず──『言葉と物』のアフターエフェクト 「物類」というタブローの宇宙──江戸本草学と花 二〇〇四年夏、オランダの光 珍しく花のある話──フローラル・ペインティング序説 プリズマティックス マニエリスムの王位継承者──ハムレットとドン・キホーテの図像学 自由放任の終わり──デフレと推理小説 『緋色の研究』を研究してわかること 百貨と胃袋──ゾラ・ヴィジュエル 「まったく新種の店」のパラダイム──ワナメイカーの世紀末 「世界は百貨店」とパリは言う 「パトロン」の系譜と機能──パトロネージからみたヨーロッパと日本の文化 美術館の収集品とは、略奪と権力の象徴 身体という「驚異の部屋」 メトニミックス──金子國義について インテリオフィリア──金子國義ふたたび 4 庭のように世界を旅する──ピクチャレスク遊学篇 「箱」ルネ=サンス──内藤ルネ讃 「風景画」の秘密──豪奢の夢① ラスキンとピクチャレスク 夢てふものは──『春昼』の風景 十九世紀美術史を映しだす鏡──ブロンテ姉妹と「絵」 廃墟としての世界 廃墟のパラドキシア ボマルツォの怪物庭園 フローラル小劇場──ガーデニングの世紀末 本当の「英国式」庭園について 動く密室──豪奢の夢②ツーリズムの近代(前) 乾いた日常を濡らす源「泉」 地図のポストモダン 軍隊のような旅──豪奢の夢③ツーリズムの近代(後) 世紀末、スポーツはたくらむ──自転車、オリンピック、闘牛 旅という想像力 5 家が「うち」と呼ばれるとき──幻想文学入門篇 辞書と偽書──「アンティレゴメナ」文学史覚え 植生の建築史──ヴィクトル・オルタの方へ マニエリスム──「あの人」としか言えないことの豊かさ ファウスト、ヴィクトリア朝に甦る それは繰り返す──『IT』を読む 家庭に潜む恐怖──スティーヴン・キング『IT』 本をデザインする家──『紙葉の家』に興奮した 「ホーンティッド・ハウス」論今般 いま読者に何が「ニードフル」か 「不気味なものが……」川端幻想文学の新しさ──「片腕」「眠れる美女」にふれて 6 私は人文がしめ殺されるのをこの目で見た 首都大学東京というグランド・ゼロに立つ 風神口上 初出一覧/事項索引/書名索引/人名索引 ▼プロフィール 高山 宏(たかやま ひろし) 1947年 岩手県に生まれる 1974年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了 現 在 大妻女子大学比較文化学部教授 [主要著書] 『アリス狩り』(青土社、1981、新版2008) 『テクスト世紀末』(ポーラ文化研究所、1992) 『ブック・カーニヴァル』(自由国民社、1995) 『カステロフィリア──記憶・建築・ピラネージ』(叢書メラヴィリア1、作品社、1996) 『エクスタシー──高山宏椀飯振舞I』(松柏社、2002) 『近代文化史入門──超英文学講義』(講談社学術文庫、2007)[『奇想天外・英文学講義』(講談社選書メチエ、2000)を改題] 『超人高山宏のつくりかた』(NTT出版、2007) 『かたち三昧』(羽鳥書店、2009)
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木庭顕『現代日本法へのカタバシス』
¥8,580
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*申し訳ありませんが、こちらの書籍は品切れです。 (重版予定はありません) A5判 上製 320頁 本体価格 7,800円+税 ISBN 978-4-904702-28-4 C3032 2011年10月刊行 装幀 原 研哉+大橋香菜子 印刷 研究社印刷 製本 牧製本印刷 ▼概要 『ローマ法案内』の著者の初の論文集 現代日本の法、法学、実務、法学教育について論じた既発表8編と書下し2編(「『ローマ法案内』補遺」、「夏目漱石『それから』が投げかけ続ける問題」)を収録。ローマ法研究者ならではの根源的な批判と鋭い考察に満ちた待望の書。 *“カタバシス”とは――ギリシア語で冥府への下降を意味し、過去への通路を指示するが、ローマ法を専門とする著者にとって、むしろ現代の日本に「降りる」ことこそが冒険を意味するというアイロニー。 [目次] はしがき I 1 現代日本法へのカタバシス II 2 「客殺し」のインヴォルティーノ,ロマニスト風 3 占有概念の現代的意義 4 「債権法改正の基本方針」に対するロマニスト・リヴュー,速報版 5 『ローマ法案内』補遺──主として日本の民事法との関連で 6 夏目漱石『それから』が投げかけ続ける問題 III 7 余白に 8 歴史学の認識手続と法学的思考 9 法学部──批判的紹介の試み 10 法科大学院と実定法学 ▼プロフィール 木庭 顕(こば あきら) 1951年生まれ。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。 『法存立の歴史的基盤』(東京大学出版会、2009年)で、日本学士院賞を受賞(2011年)。
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木村草太『憲法の急所──権利論を組み立てる』
¥3,080
SOLD OUT
*現在、改訂版(第二版)が刊行されています。 A5判 並製 360頁 本体価格 2,800円+税 ISBN 978-4-904702-26-0 C3032 2010年7月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷・製本 大日本法令印刷 ▼書評・記事 ウェブサイト「ジセダイ」|ザ・ジセダイ教官 「若き憲法学者・木村草太先生に、"法学のマインド"を学ぶ!」前後編 *後編では、『憲法の急所』が紹介されています。 http://ji-sedai.jp/special/kyokan/KimuraSouta.html 『法学セミナー』2011年12月号「ブック・レビュー」 「おそらく、本書が司法試験受験生から絶大な支持を受けた理由は、「論証例」であろうが、私の印象では、むしろ「検討編」に本書の特徴があるように思われる。……本書「検討編」には無駄がない。……知識の確認・補強に加え、憲法上の争点を抽出する直感力を磨く上で役立つであろう」(評者・小山剛先生/慶應義塾大学教授) 『週刊文春』2011年12月1日号「東大で一番売れている本は『憲法の急所』、ならば慶應は?」 『SPA!』2011年10月18・25日号「THE BESTSELLERS」東大生協書籍部(本郷)のベストセラー第1位として紹介。 ▼概要 攻防の争点=急所を掴む 急所をふまえ、権利論を組み立てるための 判例・学説に対する明晰な理解と論証技術を身に付ける 首都大学東京法科大学院で教鞭をとる著者が、上級憲法の講義をそのまままとめた演習書。憲法上の権利の基本的知識と権利論の考え方について解説した「講義編」と人権論を網羅した具体的事例を検証する「演習編」の二部構成。基本知識があれば理解できる丁寧な記述と新司法試験を想定した長文の問題を特長とする。演習編には最先端の学説を意識した解説に加え、著者による論証例を付す。独習者向けテキストとしても最適。 *訂正 本書の内容につきまして訂正がありましたのでお知らせいたします。 ご迷惑をおかけしますが、ご参照いただけますようお願いいたします。 憲法の急所 正誤表 (2012年3月26日更新)★リンク準備中 [主要目次] Ⅰ 講義編 憲法上の権利の知識と手順 第1章 憲法上の権利の基礎知識 第1節 憲法上の権利の概念と分類 第2節 自由権の基礎知識 第3節 請求権の基礎知識 第2章 憲法上の権利の基本手順 第1節 自由権の基本手順 第2節 請求権の基本手順 第3章 私人間効力論 Ⅱ 演習編 権利論を組み立てる 第4章 精神的自由権 第1問 国歌伴奏拒否事件 第2問 水泳受講拒否事件 第3問 月島宿舎ビラ配り事件 第4問 妄想族追放条例事件 第5章 経済的自由権 第5問 ペットボトル輸出規制事件 第6問 学習塾距離規制事件 第6章 平等権・請求権 第7問 Y市育児手当事件 第8問 生活保護減額処分事件 第9問 住基ネット起因損害の賠償制限 ▼プロフィール 木村草太(きむら そうた) 1980年 横浜に生まれる 2003年 東京大学法学部卒業 2003年 東京大学大学院法学政治学研究科助手・憲法専攻 (2006年まで) 現 在 首都大学東京都市教養学部法学系・東京都立大学法学部准教授(兼任) (2016年4月、同大学教授) [著書] 『平等なき平等条項論──equal protection条項と憲法14条1項』(東京大学出版会、2008年) 公式ブログ「木村草太の力戦憲法」http://blog.goo.ne.jp/kimkimlr
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がんも大二『パトさん』
¥1,650
A5判変型 並製 34頁 本体価格 1,500円+税 ISBN 978-4-904702-25-3 C0071 2011年6月刊行 ブックデザイン 原研哉+中村晋平 印刷 サンエムカラー 製本 新日本製本 ▼ブログ等での紹介 心斎橋アセンス アセンス日記 「ツボにはまった!! 『パトさん』」http://boooook.exblog.jp/15626769/ What's up, Luke http://luke.jugem.jp/?day=20110713 ▼概要 ささやかな日々の、なんと豊かなことか。 29の絵と27の言葉でつなぐ、パトさんの人生。 ▼プロフィール がんも大二(がんも だいに) 愛知県生まれ。「パトさん」で第11回ピンポイント絵本コンペ優秀賞。 公式HP http://ganmodaini.com/website/ganmodaini.html ▼関連書籍 小野智美『50とよばれたトキ──飼育員たちとの日々』 装画・挿画 がんも大二 『石巻だより 通巻1-12号』 イラスト がんも大二
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三瀬夏之介・池田学『現代アートの行方』(はとり文庫002)
¥770
A6判 並製 128頁 本体価格 700円+税 ISBN 978-4-904702-24-6 C1071 2011年6月刊行 ブックデザイン 原 研哉+中村晋平 印刷・製本 大日本法令印刷 ▼概要 同じ1973年生まれの作家、三瀬夏之介と池田学による初顔合わせ対談。スケールの大きさで比較されることも多い二人が、初画集をほぼ同時に刊行。池田学が文化庁研修制度でカナダへ旅立つ直前に実現した公開対談では、二人の作風の違いや、意外な素顔がつぎつぎと明らかに。 収録:2011年1月14日(紀伊國屋サザンシアター) [目次] 1973年生まれの世代 高校教師時代 フィレンツェ研修の1年間、そして山形へ アウトドア派 絵の描き方 なぜ僕と話してみたいと?[学→夏] 肩書きは何?[夏→学] 「日本画」についてどう思う?[夏→学] 卒業後の生活のことは?[夏→学] 法廷画と自作との関係は?[夏→学] 画材は何を使っている?[学→夏] 絵に登場するモチーフの意味は?[学→夏] 白の部分はどうやって決めるの?[夏→学] どんなふうに制作しているの?[夏⇔学] 作品のサイズや絵肌については?[夏→学] 画集製作で大変だったことは?[学→夏] 2年かけて完成ってどんな感じ?[夏→学] 趣味は?[学→夏] ファミコンやった?[夏→学] なぜカナダ?[夏→学] 絵を描く理由は?[夏⇔学] あとがき 三瀬夏之介 あとがき 池田 学 ▼関連書籍 三瀬夏之介『冬の夏』 池田学『池田学画集1』
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大村敦志+東大ロースクール大村ゼミ『22歳+への支援──ロースクールから考える大学院生の「支援システム」』
¥2,640
四六判 並製 176頁 本体価格 2,400円 ISBN 978-4-904702-22-2 C0032 2011年3月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷 研究社印刷 製本 牧製本印刷 ▼概要 「ロースクール白書」 その存在が問われている今、現役学生たちがロースクールの実態を自ら調査・分析。東大ロースクール生のリアルな「声」を聞く。大学院生全体を視野に入れながら、ロースクール生への支援のあり方、法曹養成制度のあり方を提言する。 [主要目次] はしがき 序 章 ロースクール生が直面している問題 第1章 ロースクール生の生活状況 1 修了生から見たロースクール 2 ロースクール生・法学部生へのアンケートから 第2章 支援制度の現状と課題 1 奨学金・授業料免除 2 寮 3 子育て支援 結 章 ロースクール生への支援とは 解説編 この本がめざすもの 大村敦志 メイキング編 この本ができるまで 竹内弘枝 あとがき ▼プロフィール 東大ロースクール大村ゼミ8名(2010年度) 竹内 弘枝 (たけうち ひろえ) 1982年 東京大学教育学部卒業 2006年 放送大学大学院修士課程卒業 現 在 (社)商事法務研究会研究員[法務教育担当] 大村 敦志 (おおむら あつし) 1958年 千葉県に生まれる 1982年 東京大学法学部卒業 現 在 東京大学法学部教授
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松本典子『野兎の眼』
¥3,740
SOLD OUT
B5判変型 並製 104頁 本体価格 3,400円+税 ISBN 978-4-904702-21-5 C0072 2011年4月刊行 ブックデザイン 有山達也+中島美佳(アリヤマデザインストア) 印刷 サンエムカラー 製本 新日本製本 ▼書評・記事 『産経新聞』2011年4月23日 「意外なほど、肖像は少ない。半分以上は情景だ。メトロノーム、枯れた花、窓の外の雨…。時の流れを印象づけるモチーフが多い。写真集の終盤、幼い娘の写真にページを繰る手を止める。1歳半ぐらいだろうか。14歳だった少女と見比べて、つい笑みがもれる。みずみずしさにあふれた、労作にして秀作」。 『信濃毎日新聞』2011年5月1日 「彼女自身を捉えた写真は半分に満たない。色鮮やかな花や草木、緑豊かな山と海、空、飼い犬、友達、笑顔の家族、自宅の畳や壁時計…。彼女を包み込み、見守り、育んだ人と世界がそこにある。(…)100ページほどの写真集に、小さくて大きなドラマが収められている」。 『野兎の眼』 紹介ブログ 弐代目・青い日記帳 野兎の眼 http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2481 ▼概要 「これから10年写真を撮らせて」 奥吉野の村の秋祭りで出会った14歳の少女を、10年かけて撮り続けた91枚の写真。まっすぐなまなざしを持った少女が、思春期をへてやがて大人になり母となる過程を、吉野の風景や日常の断片とともに鮮やかに映しとる。 寄稿:飯沢耕太郎 「共感覚の震え」 ▼プロフィール 松本典子(まつもと のりこ) 1970年、東京生まれ。自由の森学園高等学校、和光大学人文学部芸術学科卒業。インターメディウム研究所修了。第14回写真「ひとつぼ展」グランプリ受賞。写真集『うさぎじま』(早川書房、2007年)──広島県の大久野島、沖縄県のカヤマ島に棲む野生化したカイウサギたちの姿と植物、風景を撮った写真集。写真絵本『うさぎ うさぎ こんにちは』(『こどものとも 0.1.2』福音館書店、2011年)。 作家HP http://microcosmos.format.com/ *個展 「野兎の眼」東京展 2012年3月13日(火)~3月25日(日) 会場 CROSSROAD GALLERY (新宿区四谷) *パネル展示 吉祥寺ブックスルーエで『野兎の眼』のパネル展示を行いました。 期間 2011年4月1日~4月30日
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鴻池朋子『焚書 World of Wonder』
¥4,180
A4判変型 上製 48頁 本体価格 3,800円+税 ISBN 978-4-904702-20-8 C1071 2011年4月刊行 ブックデザイン 大西隆介(direction Q) 印刷 サンエムカラー 製本 新日本製本 ▼概要 すばらしいせかい 「インタートラベラー」の壮大な世界観で話題を呼んだアーティスト鴻池朋子の絵本。何十億年の時を駆け、想像力をめぐる旅がはじまる──World of Wonder すばらしいせかい。鴻池朋子が本と遊びぬいた、本の絵本。生命のうねりを描くドローイングの鼓動を伝える。 ▼関連書籍 鴻池朋子『インタートラベラー 死者と遊ぶ人』 鴻池朋子『根源的暴力』 鴻池朋子『どうぶつのことば──根源的暴力をこえて』 工藤庸子[訳・解説]『いま読むペロー「昔話」』 ▼プロフィール 鴻池朋子(こうのいけ ともこ) 秋田県生まれ、東京在住。1985年東京藝術大学日本画専攻卒業。絵画、彫刻、アニメーション、絵本、ゲームなどの手法を駆使して、現代の神話を壮大なインスタレーションで表現する美術家。森や街といった人間を取り巻くあらゆる環境のなかで作品を生みだし、独自の地図をつかって作品の中枢にある「遊び」へと観客を巻き込むなど、他に類を見ない創作活動は国内外で高い評価を得ている。主な個展に2006年「第0章」大原美術館、2009年「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」東京オペラシティアートギャラリー(霧島アートの森巡回)他多数。書籍は絵本『みみお』(青幻舎)、『インタートラベラー 死者と遊ぶ人』(羽鳥書店)他。
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両角吉晃『イスラーム法における信用と「利息」禁止』
¥10,450
A5判 上製 336頁 定価: 9,500円+税 ISBN 978-4-904702-19-2 C3032 2011年1月刊行 装幀 中津創一郎 印刷 研究社印刷 製本 牧製本印刷 ▼概要 「イスラーム金融」の本質を法律学から追求する本格的研究書 『法学協会雑誌』(1997-98)に発表した論考をベースにその後の研究成果を踏まえてまとめたもの。東京大学法学部とロースクールでイスラーム法を担当する著者初の学術書。イスラーム世界との交流には必須の書。 [主要目次] 凡例 アラビア語転写文字の読み方 序章 イスラーム法とは 第1節 「法」を指し示す2系統の用語 第2節 イスラーム法 第3節 イスラーム法の特徴 第4節 法解釈方法論 第5節 法学派 第6節 イスラーム法史概説 第1章 リバーを取り巻く問題状況 第1節 ムラーバハ契約を巡るイギリス裁判所の判決 第2節 従来のリバー理解 第3節 利息概念の検討 第2章 リバーおよび関連諸概念の分析 第1節 「売買」の基本的ルール 第2節 法学書に現れたリバーの定義 第3章 サルフ 第1節 サルフの定義 第2節 サルフの諸要件 第3節 サルフの諸要件とリバー禁止準則の関係 第4節 サルフにおける「増加」と「減少」 第5節 サルフのイカーラとイスティブダール 第6節 サルフにおける「相殺」 第7節 総括:サルフに固有の準則とリバー禁止準則との関係 第4章 サラム 第1節 サラムの定義とその特徴の概略 第2節 売主の手元にない物の「売買」の禁止 第3節 サラムの諸要件 第4節 サラムとリバー禁止準則の関係 第5節 サラムの代金および被売買物の受取前の「売買」 第6節 サラムの諸要件の中に現れた「ムフリス」および「イフラース」の概念 第7節 サラムの「売買」の意味 第5章 ムラーバハ 第1節 ムラーバハの定義 第2節 ムラーバハの諸要件 第3節 代金(原価額)について 第4節 代金に付加される費用 第5節 背信行為成立の諸要件 第6節 背信行為が明らかになった場合の効果 第7節 ムラーバハと信用供与 第6章 カルド 第1節 カルド:「消費貸借」 第2節 恵与関係としてのカルド 第3節 「使用貸借」としてのカルド 第4節 「利益を生ぜしめるカルド」について──カルドにおけるリバー 第5節 カルドの本質 第7章 エジプト民法典における利息概念 第1節 エジプト民法典の歴史 第2節 エジプト民法典概観 第3節 エジプト民法典における消費貸借契約および利息 終章 結論 第1節 リバー概念の意味 第2節 イスラーム法の「変形」──エジプト民法典の危険負担制度とイスラーム法の滅失理論 第3節 法的諸概念のコンステレーション 後記 索引 ▼プロフィール 両角吉晃(もろずみ よしあき) 1968年 長野県生まれ 1990年 東京大学法学部卒業 1996年 東京大学法学部助教授 2010年 東京大学法学部教授
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木庭顕『ローマ法案内──現代の法律家のために』
¥5,720
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*申し訳ありませんが、品切れです。 A5判 上製 256頁 本体価格 5,200円+税 ISBN 978-4-904702-17-8 C3032 2010年12月刊行 装幀 原 研哉+中村晋平 印刷 研究社印刷 製本 牧製本印刷 ▼概要 現代法を読み解く鍵──法律を学ぶすべての人へ 近代法の淵源ローマ法を、歴史学の成果をふまえて捉え直す。『政治の成立』(1997年)、『デモクラシーの古典的基礎』(2003年)、『法存立の歴史的基盤』(2009年、いずれも東京大学出版会)の三部作の成果を元に、現代の法律家に向けて「新鮮なローマ法」を提示。現代の法について考え研究するすべての人に贈る知的営為の書。 [目次] 0 序 1 歴史的前提 1−0 [ロ−マ社会について知ることは大変に困難である,ということをまず強く念頭に置くこと] 1−1[第一の歴史的前提は政治であること,ただし政治の概念に注意を要すること] 1−2[ローマでは,どのようにして,政治を備えた体制ができあがったか] 1−3[できあがった政治はどのような仕組を有したか──政治制度の骨格] 1−4[裁判は最も重要な政治制度の一つである] 1−5[都市が無ければ政治は無く,したがって法も無い] 1−6[その都市はどうやって実現されたのか?] 2 民事法の原点 2−1[法の原理を把握するためには,まずデモクラシーの原理を把握しておく必要がある] 2−2[ローマでも,特有の仕方ではあったが,デモクラシーへと人々は辿り着いた] 2−3[法の基本原理は占有である] 2−4[民事訴訟の基本原則は占有概念のコロラリーである] 2−5[取得時効の存在理由は人権概念につながる] 2−6[消費貸借の危険性およびそれへの対処法] 2−7 地役権,相隣関係,不法行為 2−8 相続財産 2−9 身分法 3 契約法の基本原則 3−0[契約や契約法をどのように捉えるべきか] 3−1 助走 3−2 契約法を生み出した社会 3−3 占有原理の適用 3−4 契約の根幹 3−5 契約責任 3−6 売買 3−7 契約の類型について 3−8 自由人の労働 3−9 委任 3−10 組合 3−11 寄託,銀行 3−12 bonorum possessio 3−13 嫁資 dos,ususfructus,fiducia,そしてusucapioの付加的要件 4 所有権概念の登場とその帰結 4−1 新しい現実 4−2 占有概念の転換 4−3 領域上の占有を売買する 4−4 過失(culpa) 4−5 契約責任の変貌 4−6 意思 voluntas 4−7 刑事訴訟の新展開 4−8 犯罪の新しい概念 4−9 元首政 5 所有権に基づく信用の諸形態 5−1 locatio conductio 5−2 質権 5−3 債権信用 5−4 condictio 周辺の新動向 5−5 保証 5−6 特有財産 peculium 5−7 民事訴訟の変容 5−8 争点決定 litis contestatio 5−9 身分法の変容 6 「ローマ法」伝播に関する簡単な注記 6−1 元首政期以降の状況 6−2 ユスティニアーヌスの事業 6−3「ロ−マ法」の再発見 6−4 人文主義法学 6−5 実証主義 6−6 現代 欧文索引/和文索引 ▼プロフィール 木庭 顕(こば あきら) 1951年生まれ。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。 『法存立の歴史的基盤』(東京大学出版会、2009年)で、日本学士院賞を受賞(2011年)。
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三瀬夏之介『冬の夏』
¥4,620
A4判横 上製 120頁 本体価格 4,200円+税 ISBN 978-4-904702-16-1 C1071 2010年11月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷 サンエムカラー 製本 牧製本印刷 【日英併記】 ▼概要 世界を描く 三瀬夏之介の「日本画」 絵を描き、思考し、ひたすら描き続ける──2005年から2010年にわたる三瀬夏之介の軌跡 全長15メートルにおよぶ《だから僕はこの一瞬を永遠のものにしてみせる》をはじめ、《肘折幻想》《千歳》《J》《ハヨピラ》《ぼくの神さま》《君主論 -Il Principe-》《日本画滅亡論》《日本画復活論》《日本の絵》《奇景》などの主要作品を収録。展覧会風景とともにダイナミックに再現する。 [収録テキスト] 高階秀爾「創造する魂の軌跡」/宮本武典「〈肘折山水〉をめぐって」/三瀬夏之介「〈ひじおりの灯〉に寄せて」「《J》に寄せて」「北から」「描くこと」「日本画復活論」「日本画考」「日々」「家庭的であり宇宙的である」ほか、ブログ記事も多数。 ▼プロフィール 三瀬夏之介(みせ なつのすけ) 1973 奈良に生まれる 1997 京都市立芸術大学美術学部美術科日本画専攻卒業 1999 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了 2007-08 五島記念文化財団研修員としてフィレンツェにて研修 現 在 東北芸術工科大学准教授 第22回タカシマヤ美術賞(公益信託タカシマヤ文化基金主催)受賞 作家公式HP http://www.natsunosuke.com/ 東北画は可能か? 公式HP http://www.tohokuga.com/ ▼関連書籍 池田学+三瀬夏之介『現代アートの行方』
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長谷部恭男『憲法のimagination』
¥2,860
四六判 上製 248頁 本体価格 2,600円+税 ISBN 978-4-904702-15-4 C1032 2010年9月刊行 ブックデザイン 原研哉+中村晋平 印刷 大日本法令印刷 製本 牧製本印刷 ▼書評・記事 『AERA』2010年10月18日AERIAL-BOOK 「いま最も旬な憲法学者のエッセー集だ。~」(ら) 『朝日新聞』2010年11月14日 「本書のカギはまさに「想像力」だ」 『出版ニュース』2010年11月中旬号 ブックガイドにて紹介 「法律学とは人間や世の中あっての学問という著者の思索、見識が、痛烈な皮肉やウイットの中に発揮され、憲法を学び、論じるための指南にも」 『日経プレミアPLUS』 vol.11「仕事に効く〈本〉」 木村草太先生が紹介してくださいました。「日本最高の憲法学者の1人である著者が、哲学、文学、映画など幅広い知見を生かして憲法にアプローチするエッセイ・書評集。軽妙な語り口に引き込まれるうちに、憲法や法律が身近に感じられるはず」。 ▼概要 思索する愉しみ 古今の哲学や文学、映画を緯糸に、 憲法学者が織り上げるエッセイ・書評集 日本を代表する憲法学者によるエッセイ集。 最新論文集『憲法の境界』、入門書決定版『憲法入門』につづく羽鳥書店刊行の第三弾。東京大学出版会『UP』誌での連載エッセイ「憲法のimagination」24回を中心に、2004年以降、著者が各紙・誌で発表してきた書評、コラムの計42編をまとめた。法律は縁遠いものと思っている人にとっても、「憲法学は、人はいかに行動すべきかを考える学問の一分野だということになります」という著者の一言には意外性を感じ、関心を持てるだろう。その小気味よい文章に引き込まれるうちに、憲法について興味深く学び、考えることができる。より幅広い人びとにとって読みやすいリベラルアーツ版憲法入門書といえる一冊。 [目次] はしがき 第1部 憲法のimagination 1 生きている 2 イェルサレムとアテネ 3 日本国民、カモーン! 4 自己目的化の陳腐さについて 5 アテネ学会日記 6 国民を使用人扱いするのか? 7 法哲学者の偉大さについて 8 「ガチョーン!」の適切さについて 9 続く? 10 ゲバラのように生きる 11 東京・横浜学会日記 12 とらわれて 13 謎はない 14 特殊な国、アメリカ 15 そうしたかったから 16 どこへ行くのか 17 法と戦略 18 へぇ、へぇ 19 認識を示す 20 そんな風には生きてない 21 厳密に言ってどうなのか 22 先例に従う 23 四人の子ども 24 スピノザの自由 第2部 ハムレットとドン・キホーテ 1 カール・シュミットのシェイクスピア カール・シュミット/初見基訳『ハムレットもしくはヘカベ』 2 ドン・キホーテの夢 ミラン・クンデラ/金井裕・浅野敏夫訳『小説の精神』 セルバンテス/牛島信明訳『ドン・キホーテ』(全六冊) 3 信じられない カズオ・イシグロ/土屋政雄訳『日の名残り』 4 法をおしえて E・H・カントロヴィッチ/甚野尚志訳『祖国のために死ぬこと』 5 人ではない J・L・ボルヘス/鼓直訳『伝奇集』 6 本の虫日記 7 憲法論争と九条問題 8 青春の一冊--おのれの守護神を信じた職業選択 マックス・ウェーバー/尾高邦雄訳『職業としての学問』 9 この人・この3冊 第3部 憲法学は何を考えるのか 1 憲法学は何を考えるのか 2 憲法改正論議の不思議 3 ソウル学会日記 4 がっかりなさいましたか? 5 地方自治と民主政治 6 平成「20年」 7 人民は代表されえない 8 ショートエッセー わたしとコピペ 9 評価 初出一覧 ▼プロフィール 長谷部恭男(はせべ やすお) 1956年広島生まれ。東京大学法学部卒業。早稲田大学法学学術院教授。 著書に 『比較不能な価値の迷路」』 『憲法の理性』 『憲法の境界』 『憲法入門』など。 ▼関連書籍 長谷部恭男『憲法の境界』 長谷部恭男『憲法入門』
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内田貴『制度的契約論──民営化と契約』
¥3,740
A5判 上製 240頁 本体価格 3,400円+税 ISBN 978-4-904702-14-7 C3032 2010年7月刊行 ブックデザイン 原 研哉+中村晋平 印刷 理想社 製本 牧製本印刷 ▼概要 関係的契約から制度的契約へ 現代における契約の理論的枠組みを提示。「債権法を中心とする民法典の改正」を進めている著者の専門領域の最新研究の成果。『契約の再生』(1990 年)で、関係的契約という契約概念を提唱した著者が、民営化時代の契約の理論枠組みとして新たに制度的契約という概念を提唱する。現代を理解するための法的パースペクティブ。 [目次] 第1部 民営化(privatization)と契約──制度的契約論の試み 第2部 制度的契約と関係的契約──企業年金契約を素材として 第3部 講演:制度的契約論の構想 第4部 資料:松下年金訴訟 鑑定意見書 ▼プロフィール 内田 貴(うちだ たかし) 1954 年大阪府生まれ。東京大学法学部教授、法務省経済関係民刑基本法整備推進本部参与を経て、現在東京大学名誉教授、早稲田大学特命教授。 [主要著書] 『抵当権と利用権』(有斐閣、1983) 『契約の再生』(弘文堂、1990) 『契約の時代──日本社会と契約法』(岩波書店、2000) 『債権法の新時代──「債権法改正の基本方針」の概要』(商事法務、2009) 『民法Ⅰ 総則・物権総論(第4版)』(東京大学出版会) 『民法Ⅱ 債権各論(第3版)』(東京大学出版会) 『民法Ⅲ 債権総論/担保物権(第3版)』(東京大学出版会) 『民法Ⅳ 親族・相続(補訂版)』(東京大学出版会)
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田中純『イメージの自然史──天使から貝殻まで』
¥3,960
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A5判 並製 332頁 本体価格 体3,600円+税 ISBN 978-4-904702-11-6 C3010 2010年6月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷 精興社 製本 矢嶋製本 ▼書評・記事 『日本経済新聞』2010年8月8日「歴史の深層から現在を思考」評・五十嵐太郎(建築評論家) 『東京新聞』2010年8月15日「かたちをめぐる自在な連想」評・柏木博(デザイン評論家) 『読売新聞』2010年10月10日 「変化するおもかげ追う」評・前田耕作(アジア文化史家) 『出版ニュース』2010年8月中旬号「ブックガイド」 『idea no.342』2010年9月号「ブック&インフォメーション」 ▼概要 記憶・生命の原型的イメージを手繰る ──都市表象分析をめぐる思索のエッセンス 「自然史」とは「ナチュラルヒストリー」を意味している。それは、「自然誌」「博物誌」「博物学」でもあり、分類学的な博物誌と系統学的自然史のあわいを揺れ動きながら、原型的イメージを図鑑のように編み、それが変容してゆく過程を歴史のなかにたどる。『UP』の好評連載「イメージの記憶」を中心に、『10+1』連載「都市表象分析」の最後の3回分も収録。本書には、前著『政治の美学』にいたるまでの著作のエッセンスが凝縮されており、田中純の思索を繙く最良の手引書となっている。 *田中純 公式ブログBlog (Before- & Afterimages) 2010年6月14日 「序」と「跋」の一部掲載 http://before-and-afterimages.jp/news2009/2010/06/post-89.html [主要目次] 序 Ⅰ 図像的転回の源流へ 第1章 イメージの系譜学──図像アトラス「ムネモシュネ」の方法 第2章 アートヒストリーとナチュラルヒストリー──種・様式・シークエンス Ⅱ 進化のイメージ 第1章 その馬を見よ──進化の肌理、歴史の知覚 第2章 ヒトの「おもかげ」──ヘッケル『人類の発生』と《泰治君の夢》 第3章 歪んだ創世記──『シュルツ全小説』に寄せて 第4章 天使をめぐって (1) 天使の博物誌──フェヒナー『天使の比較解剖学』 (2) 始祖鳥のメタモルフォーゼ──押井守『天使のたまご』 第5章 『リヴァイアサン』から『崖の上のポニョ』へ──ある象徴の系譜 第6章 楳図かずおの進化論──ムシとコドモ 第7章 幼形成熟の哀しみ──ビョークの人形愛 Ⅲ 情念のかたち 第1章 転生するニンフたち──ヴィヴィアン・ガールズの情念定型 第2章 鬼神たちの回帰──クロソウスキー『古代ローマの女たち』 第3章 表象の墓碑銘──ゴンブリッチ「棒馬考」考 第4章 メランコリーをめぐって (1) 弥勒とメランコリー──タルホからゴヤへ (2) 我ら、土星の子供たち──メランコリーの形式 第5章 イメージのサヴァイヴァル──ゴダール『映画史』 第6章 人形文字/文字という人形──多和田葉子「ゴットハルト鉄道」 第7章 まなざしの色彩──シェーンベルクのドローイング 第8章 書物のヒエログリフ化──『政治の美学』をめぐって Ⅳ 写真という多面体 第1章 細部の野蛮な自律性──矢代幸雄・ヴァールブルク・バタイユ 第2章 歪んだガラス──修整写真の欲望 第3章 写真の解剖学──歴史の証拠物件 第4章 時のアウラ──ロッシとタルコフスキーのポラロイド写真 第5章 石と化したスナップショット──ゲオルゲのイメージ戦略 第6章 見えない抹消線──高梨豊『地名論』 Ⅴ 都市の波打ち際 第1章 塔と貝殻──アルド・ロッシの詩学 第2章 多孔性の科学──生命の楼閣、都市の生命 第3章 波打ち際の知──『都市の詩学』への追記 第4章 都市表象分析とは何か──自註の試み (1) 「非都市の存在論」から「都市表象分析」へ (2) 発掘された幼年時代──「語り」のかたち 註/跋/初出一覧 書誌/図版一覧/人名索引/事項索引 ▼プロフィール 田中 純 (たなか じゅん) 1960年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授・表象文化論(思想史・イメージ分析)。 [主要著書] 『都市表象分析I』(INAX出版、2000) 『ミース・ファン・デル・ローエの戦場』(彰国社、2000) 『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』『死者たちの都市へ』(青土社、2001、2004、サントリー学芸賞受賞) 『都市の詩学──場所の記憶と徴候』(東京大学出版会、2007、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞) 『政治の美学──権力と表象』(東京大学出版会、2008、毎日出版文化賞受賞) ▼関連書籍 田中純『過去に触れる──歴史経験・写真・サスペンス』 工藤庸子[編]『論集 蓮實重彦』
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藤田広美『民事執行・保全』
¥4,400
A5判 上製 352頁 本体価格 4,000円+税 ISBN 978-4-904702-10-9 C3032 2010年4月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷 研究社印刷 製本 牧製本印刷 ▼概要 実務に直結した分かりやすく明晰な解説 豊富な実務経験(裁判官・弁護士)をもとに、難しいとされる民事執行・保全の実務における解釈・運用の理論的基礎を分かりやすく解説。自ら教鞭をとる法科大学院での実践的な教材を想定し、自習での理解をうながしつつ、民事訴訟実務の全体を学ぶ際に必要な総合力を養う。法科大学院生や司法修習生のほか、若手法曹や実務担当者にも必携の書。 ・豊富な実務経験(裁判官・弁護士)をもとに明晰な解説。 ・執行と保全の基本構造および機能的な特質を詳述。 ・個別の制度・手続についても基本的な視座を提供。 ・民法や民事訴訟法との連関を意識し、総合的理解へ。 ・実践的な教材として、独習者にも最適。 ・「です・ます」体の丁寧な記述で、図版や書式例も豊富。 *訂正 本書の内容につきまして訂正がありましたのでお知らせいたします。ご迷惑をおかけしますが、ご参照いただけますようお願いいたします。今後、重版にともなう訂正および訂正予定を随時更新していきます。 民事執行・保全 訂正一覧 ★リンク準備中 [主要目次] まえがき 本書のコンセプト PART I 民事執行・保全の基本構造 Chapter 1 民事執行の基本構造 Chapter 2 民事保全の基本構造 PART II 強制執行通則 Chapter 1 執行機関 Chapter 2 執行当事者 Chapter 3 債務名義 Chapter 4 執行文 Chapter 5 強制執行開始要件 Chapter 6 強制執行の対象財産 Chapter 7 強制執行手続の停止・取消し Chapter 8 不当執行・違法執行からの救済 PART III 金銭債権の執行と保全 Chapter 1 対象財産の特定・選択 Chapter 2 不動産に対する強制執行 Chapter 3 動産に対する強制執行 Chapter 4 債権及びその他の財産権に対する強制執行 Chapter 5 金銭債権の執行保全[仮差押え] PART IV 非金銭債権の執行と保全&仮地位仮処分 Chapter 1 物の引渡請求権の執行 Chapter 2 作為・不作為請求権の執行 Chapter 3 意思表示請求権の執行 Chapter 4 非金銭執行の保全[係争物仮処分] Chapter 5 民事保全による暫定的救済[仮地位仮処分] PART V 担保執行 Chapter 1 担保執行の対象 Chapter 2 担保不動産執行 Chapter 3 動産競売 Chapter 4 債権その他の財産権についての担保執行 Chapter 5 形式的競売 PART VI 執行妨害とその対策 申立書等書式例/あとがき/事項索引/判例索引/法令索引 ▼プロフィール 藤田広美(ふじた ひろみ) 1962年生まれ。中央大学法学部卒。裁判官を経て、現在、琉球大学法科大学院教授・弁護士(沖縄弁護士会)。 [主要著書] 『講義 民事訴訟』 『解析 民事訴訟』 (共に東京大学出版会)、『破産・再生』(弘文堂、2012年)。
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齋藤希史『漢文スタイル』
¥2,860
四六判 上製 306頁 本体価格 2,600円+税 ISBN 978-4-904702-09-3 C1095 2010年4月刊行 ブックデザイン 原研哉+中村晋平 カバー写真 東野翠れん 印刷 大日本法令印刷 製本 牧製本印刷 ▼書評・記事 『朝日新聞』2010年6月13日「漢文の大水脈 日本文学の底に 評・田中貴子(甲南大学教授) 『読売新聞』2010年6月20日「多彩な味わいを伝える」 評・蜂飼耳(詩人) 『東京人』2010年8月号 Close up TOKYO Books「中国、空想旅行の場としての。」評・苅部 直(東京大学教授) 『新潮45』2010年9月号 書物の森「魅力的な漢文エッセイ」評・正津 勉(詩人) 『日本経済新聞』2010年10月17日「活字の海で」にて 「漢文を楽しくやさしく──奥深い世界伝える本、相次ぐ」 『東京大学教養学部報』533号(2010年11月4日)「軽やかに越境する」評・品田悦一(東京大学准教授) 『趣味の水墨画』2010年12月号(ユーキャン) 書物の森「いわゆる教科書的な漢詩に関する本のたぐいではない」 『読売新聞』夕刊2010年11月22日 本よみうり堂「漢文関連本の出版相次ぐ」「時空超えた対話が魅力」 『朝日新聞』2010年12月19日 書評委員お薦め「今年の3点」評者:田中貴子(甲南大学教授・日本文学) 『書道美術新聞』2011年2月1日号(美術新聞社)「話題の本」 『朝日新聞』2013年8月19日「天声人語」 「「緑陰読書」という言葉がある。夏休みの読書をそう称することが多い。中国文学者、斎藤希史さんの『漢文スタイル』によると、それほど古い言葉ではない。日本では、江戸後期の頼山陽の漢詩にその典拠らしい句が見られるという」。 ▼概要 隠者・詩人・旅人たちがめぐる読書の宇宙 不楽復何如!──こんな楽しみまたとない 中国古典文学と清末―明治期の言語・文学の研究者である齋藤希史氏によるエッセイ集。東京大学出版会の『UP』誌連載中の「漢文ノート」(1~12回)や『芸術新潮』2008年8月号・北京特集の「北京八景――記憶された町」など、計22編を収録。著者がひらく漢詩文の世界。国を超え、時代を超えて隠者・詩人・旅人たちがめぐる読書の宇宙へと読者は誘われ、ともにひとときを游ぶ……。いわゆる授業科目としての印象を持たれがちな「漢文」をあえてタイトルに掲げ、漢文脈の可能性と、漢詩文の世界の楽しみ方を伝える一冊。 平成22年度 第19回 やまなし文学賞 (研究・評論部門) 受賞 [目次] Ⅰ 詩想の力 1 隠者の読書、あるいは田園の宇宙 2 自然を楽しむ詩 3 詩人の運命 4 詩讖──詩と予言 5 天上の庭──「玄圃」 II 境域のことば 1 北京八景──記憶された町 密かな愛着 第一景 芥川龍之介『支那游記』 幸福な時間 第二景 袁宏道「秋日同梅子馬方子公飲北安門」 第三景 龔自珍「丙戌秋日独遊法源寺」 胡同の神さま 第四景 金受申『北京の伝説』 第五景 奥野信太郎『随筆北京』 町の音 第六景 老舎『駱駝祥子』 第七景 愛新覚羅溥儀『わが半生』 ふたりの希望 第八景 魯迅+許広平『両地書』 2 訓読の自由 3 来たるべき国語 4 思惟する主体 漢文脈の核心/漢籍の素読/韓愈の文章/教養と主体 5 旅人の自画像 旅行記の時代/漢学者の中国紀行/新聞記者の耳目/志士の渡航記/ 志士から留学生へ/鷗外の誇り/鏡の中の漱石/文化論の誘惑/街角の異邦人 III 漢文ノート 1 下宿の娘 2 詩のレッスン 3 恋する皇帝 4 緑陰読書 5 風立ちぬ 6 黄色い鶴 7 花に嘯く 8 不如帰 9 窈窕たる淑女 10 日下の唱和 11 天朗気清 12 赤壁の月 あとがき/初出一覧/人名索引 ▼ プロフィール 齋藤希史(さいとう まれし) 1963年千葉県生まれ 京都大学大学院文学研究科博士課程中退 京都大学人文科学研究所助手、奈良女子大学文学部助教授 国文学研究資料館文献資料部助教授 東京大学大学院総合文化研究科准教授、教授を経て 現在 同大学大学院人文社会系研究科 教授
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大村敦志+東大ロースクール大村ゼミ『18歳の自律──東大生が考える高校生の「自律プロジェクト」』
¥2,420
四六判 並製 264頁 本体価格 2,200円+税 ISBN 978-4-904702-08-6 C0037 2010年4月刊行 ブックデザイン 馬面俊之 印刷 研究社印刷 製本 牧製本印刷 ▼書評・記事 『教育新聞』(教育新聞社)2010年5月13日「法の基本思想を学ぶ」 『進学レーダー』(みくに出版) 2010年6月号 「大人になるための条件とは?」(評者・河上進) 『学研 進学情報』2010年11月号「小論文ブックポート 52」(評者・福永文子) ▼概要 何歳から大人? ──法律家の卵、東大ロースクール生が5つのハイスクールを取材 民法学の第一線研究者である大村敦志氏が、教え子の東京大学ロースクールゼミ生に「高校生の自律をテーマに本を作ろう」と呼びかけたのが本書の始まり。成人年齢の引き下げの議論がなされるなか、「何歳から大人?」「成年とは何か?」という問いを抱え、ゼミ生たちは計5つの高校を訪ねる。彼らが「自律プロジェクト」としてとらえた高校での生徒会、運動会、文化祭、修学旅行などの特別活動を通して、高校生たちは何を学び、どのように「自律」していくのか、また、学校が担える役割は何か──インタビューを重ね、議論しながら、法律家の卵であるゼミ生たちがその答えを探る一冊。 [目次] 第 1 章 「大人」になることの意味 Ⅰ 法における「自律」 Ⅱ 日常生活で使われる「自律」の多義性 Ⅲ 学校の存在 第 2 章 「自律プロジェクト」としての特別活動 Ⅰ 生徒会 Ⅱ 運動会 Ⅲ 文化祭 Ⅳ 修学旅行 第 3 章 具体例に見る「自律プロジェクト」の実践 Ⅰ 私立麻布高等学校 Ⅱ 私立大妻高等学校 Ⅲ 都立新宿高等学校 Ⅳ 県立千葉高等学校 Ⅴ 県立兵庫高等学校 第 4 章 自律を考える Ⅰ 「自律」とは何か Ⅱ 学校の果たす役割 Ⅲ 未成年の「自律」と成人年齢引き下げ 解説編 この本がめざすもの……大村敦志 Ⅰ 「年少者」の「自律」とは Ⅱ 「ロースクール生」とは Ⅲ 「法教育」とは メイキング編 この本ができるまで……竹内弘枝 Ⅰ ゼミの進み方 Ⅱ ゼミを振り返って ▼プロフィール 東大ロースクール大村ゼミ(2009年度) 竹内 弘枝 (たけうち ひろえ) 1982年 東京大学教育学部卒業 2006年 放送大学大学院修士課程卒業 現 在 (社)商事法務研究会研究員[法務教育担当] 大村 敦志 (おおむら あつし) 1958年 千葉県に生まれる 1982年 東京大学法学部卒業 現 在 東京大学法学部教授
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永禮賢『mind encode』
¥4,180
B4判変型 上製 72頁 本体価格 3,800円+税 ISBN 978-4-904702-07-9 C0072 2010年3月刊行 ブックデザイン 大西隆介(direction Q) 印刷 サンエムカラー 製本 新生製本 ▼書評・記事 『産経新聞』2010年4月10日 13面「産経書房」 アサヒカメラ.net 新刊ブックガイド 『季刊プリンツ21』2010年春号 新刊紹介 Visual Books 4 『カメラ日和』2010年7月号 PRESENT! PHOTO GRAPHICA VOL.19 (MdN) 最新写真集評 選者・沖本尚志 『アサヒカメラ』2010年6月号「世界観を写す圧縮された記号」(インタビュー:赤坂英人) 『メンズノンノ』 2010年7月号「旅々カメラ vol.43」 ▼概要 生の不思議さと美しさ 死を孕んだ静謐さ 永禮 賢 待望の最新写真集──好評を博した『birds of silence』に続く第2作。 世界の小さな断片から編み続けられる、新たな世界。 ▼プロフィール 永禮 賢(ながれ さとし) 1975年 青森生まれ 1997年 日本写真芸術専門学校報道写真科卒業 1999年 東京綜合写真専門学校研究科修了 第1回富士フォトサロン新人賞奨励賞 2001年 写真展 ニコンサロンJuna 21 / 東京 2005年 写真集 『birds of silence』 第8回新風舎・平間至写真賞大賞受賞 LAUS award '05 Graphic Communication部門入賞 2006年 COMMANDE M/Aフォトグラファー賞準グランプリ 第32回木村伊兵衛写真賞最終ノミネート 2009年 写真事務所 株式会社Fuse設立 現在、作品制作を中心に雑誌や広告、CDジャケット等の撮影で幅広く活動 *個展 2011年4月29日(金・祝)~5月30日(月) Satellite サテライト(岡山市) 2012年3月9日(金)~3月31日(土) YOKOI FINE ART(港区東麻布)
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