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A5判 上製 904頁
本体価格 12,000円+税
ISBN 978-4-904702-27-7 C0070
2011年8月刊行
ブックデザイン 馬面俊之
印刷 精興社
製本 牧製本印刷
*高山 宏 『新人文感覚』全2巻
学魔・高山宏のここ15年間の集大成。全2巻、原稿枚数3500枚、図版840点。
数枚のエッセイから、60枚におよぶ論考まで、各87本収録。
『新人文感覚2 雷神の撥』
▼書評・記事
▼概要
観相学やら聖俗学やらを、
語源風神が吹き飛ばす。
高山見ずして、本読むな。
──松岡正剛 (帯文より)
18世紀、「歩く」「見る」ことから一挙に花開いていった、観相学(フィジオノミー)の発達、推理小説の技術革新、ピクチャレスクの旺盛、百科総覧による視覚文化の横溢を、洋の東西を往還しながら、絢爛豪華に展開。
*訂正
本書の内容につきまして訂正がありましたのでお知らせいたします。ご迷惑をおかけしますが、ご参照いただけますようお願いいたします。
『新人文感覚1 風神の袋』 正誤表(2011年8月11日)
http://www.hatorishoten.co.jp/teisei_fujin.pdf
[目次]
1 ホモ・アンブランス(歩くヒト)になる──歴史を「歩き」直す方法
ゆっくり歩く 見えてくる
歩く、見る、書く──フィジオノミーというメソッドについて
物量と記号が氾濫する時代には、「小説」がふさわしい
デフォー、あるいは〈敵〉?
近代の寓話──ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』
暗号で書かれた日記──サミュエル・ピープス『日記』
性懲りもなく証拠──ドキュメントの近代史
風刺の黄金時代を嗤う
もう結構な話──ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』
ポンス熱死
運命ヴィジュアル
破顔一笑の本
フィジオノミー世紀末──顔で歴史を読む
禿頭王の恥じに始まる──かつらの近代史異説
「自由」をかぶった近代人──かつらの文化史、一番肝心なこと
ザッツ・キャラクタリスティック──気質文学東西
逸れるたのしさ──「キャラクターをめぐって」
2 見ることに洋の東西はない──視覚文化論実践篇
既知のように語っていいのだろうか──モダニズム管見
ただ絵を論じても仕方がない──ポー文学のヴィジュアリティ
啓蒙イギリスの本屋さん
もの知り近代の初め──エフライム・チェンバーズ
アクチュアライズする目──身体また十八世紀に発す
十八世紀の身体を開く
十八世紀の一時間旅行
トゥーンベリ『江戸参府随行記』
エレキテルと探偵──平賀源内と夏目漱石が視た光と闇
アッカーとアーカート──源内は立派に世界文学
青い目のキョクテイ
大江戸マニエリスム事はじめ──高田衛『新編 江戸幻想文学誌』
マニエリストの才覚──『西鶴諸国ばなし』
表現者は身に繍るひと──松田修
「むしろ迂愚のごとく」のすさまじさ──その激語は一層のアウラを
歌麿のShell Shock──『潮干のつと』購入に感謝
大江戸新美術史──スクリーチ『大江戸視覚革命』
外連ピクチャレスク
視覚的快楽の閉回路へ
のぞく近代──襞と襞の戯れ
聖と俗とをとりまぜながら、エロティックな文学は人と人との関係を反映する
ポルノの黄金時代
マニエリスムの恋人たち、または口ほどにもあるメタ・ポルノ
『エロトス』の女芯に──荒木経惟の「猥褻」
もっとタフなフェミニズムのために
パテリアリズム批判の切れ味
3 見えるものはこんなにも楽しい(Ⅰ)──表象論基礎篇
タブローのかたちをした空間──『言葉と物』と一九六〇年代
フーコー、跼蹐せず──『言葉と物』のアフターエフェクト
「物類」というタブローの宇宙──江戸本草学と花
二〇〇四年夏、オランダの光
珍しく花のある話──フローラル・ペインティング序説
プリズマティックス
マニエリスムの王位継承者──ハムレットとドン・キホーテの図像学
自由放任の終わり──デフレと推理小説
『緋色の研究』を研究してわかること
百貨と胃袋──ゾラ・ヴィジュエル
「まったく新種の店」のパラダイム──ワナメイカーの世紀末
「世界は百貨店」とパリは言う
「パトロン」の系譜と機能──パトロネージからみたヨーロッパと日本の文化
美術館の収集品とは、略奪と権力の象徴
身体という「驚異の部屋」
メトニミックス──金子國義について
インテリオフィリア──金子國義ふたたび
4 庭のように世界を旅する──ピクチャレスク遊学篇
「箱」ルネ=サンス──内藤ルネ讃
「風景画」の秘密──豪奢の夢①
ラスキンとピクチャレスク
夢てふものは──『春昼』の風景
十九世紀美術史を映しだす鏡──ブロンテ姉妹と「絵」
廃墟としての世界
廃墟のパラドキシア
ボマルツォの怪物庭園
フローラル小劇場──ガーデニングの世紀末
本当の「英国式」庭園について
動く密室──豪奢の夢②ツーリズムの近代(前)
乾いた日常を濡らす源「泉」
地図のポストモダン
軍隊のような旅──豪奢の夢③ツーリズムの近代(後)
世紀末、スポーツはたくらむ──自転車、オリンピック、闘牛
旅という想像力
5 家が「うち」と呼ばれるとき──幻想文学入門篇
辞書と偽書──「アンティレゴメナ」文学史覚え
植生の建築史──ヴィクトル・オルタの方へ
マニエリスム──「あの人」としか言えないことの豊かさ
ファウスト、ヴィクトリア朝に甦る
それは繰り返す──『IT』を読む
家庭に潜む恐怖──スティーヴン・キング『IT』
本をデザインする家──『紙葉の家』に興奮した
「ホーンティッド・ハウス」論今般
いま読者に何が「ニードフル」か
「不気味なものが……」川端幻想文学の新しさ──「片腕」「眠れる美女」にふれて
6 私は人文がしめ殺されるのをこの目で見た
首都大学東京というグランド・ゼロに立つ
風神口上
初出一覧/事項索引/書名索引/人名索引
▼プロフィール
高山 宏(たかやま ひろし)
1947年 岩手県に生まれる
1974年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了
現 在 大妻女子大学比較文化学部教授
[主要著書]
『アリス狩り』(青土社、1981、新版2008)
『テクスト世紀末』(ポーラ文化研究所、1992)
『ブック・カーニヴァル』(自由国民社、1995)
『カステロフィリア──記憶・建築・ピラネージ』(叢書メラヴィリア1、作品社、1996)
『エクスタシー──高山宏椀飯振舞I』(松柏社、2002)
『近代文化史入門──超英文学講義』(講談社学術文庫、2007)[『奇想天外・英文学講義』(講談社選書メチエ、2000)を改題]
『超人高山宏のつくりかた』(NTT出版、2007)
『かたち三昧』(羽鳥書店、2009)
レビュー
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