木庭顕『ローマ法案内──現代の法律家のために』
¥5,720 税込
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A5判 上製 256頁
本体価格 5,200円+税
ISBN 978-4-904702-17-8 C3032
2010年12月刊行
装幀 原 研哉+中村晋平
印刷 研究社印刷
製本 牧製本印刷
▼概要
現代法を読み解く鍵──法律を学ぶすべての人へ
近代法の淵源ローマ法を、歴史学の成果をふまえて捉え直す。『政治の成立』(1997年)、『デモクラシーの古典的基礎』(2003年)、『法存立の歴史的基盤』(2009年、いずれも東京大学出版会)の三部作の成果を元に、現代の法律家に向けて「新鮮なローマ法」を提示。現代の法について考え研究するすべての人に贈る知的営為の書。
[目次]
0 序
1 歴史的前提
1−0 [ロ−マ社会について知ることは大変に困難である,ということをまず強く念頭に置くこと]
1−1[第一の歴史的前提は政治であること,ただし政治の概念に注意を要すること]
1−2[ローマでは,どのようにして,政治を備えた体制ができあがったか]
1−3[できあがった政治はどのような仕組を有したか──政治制度の骨格]
1−4[裁判は最も重要な政治制度の一つである]
1−5[都市が無ければ政治は無く,したがって法も無い]
1−6[その都市はどうやって実現されたのか?]
2 民事法の原点
2−1[法の原理を把握するためには,まずデモクラシーの原理を把握しておく必要がある]
2−2[ローマでも,特有の仕方ではあったが,デモクラシーへと人々は辿り着いた]
2−3[法の基本原理は占有である]
2−4[民事訴訟の基本原則は占有概念のコロラリーである]
2−5[取得時効の存在理由は人権概念につながる]
2−6[消費貸借の危険性およびそれへの対処法]
2−7 地役権,相隣関係,不法行為
2−8 相続財産
2−9 身分法
3 契約法の基本原則
3−0[契約や契約法をどのように捉えるべきか]
3−1 助走
3−2 契約法を生み出した社会
3−3 占有原理の適用
3−4 契約の根幹
3−5 契約責任
3−6 売買
3−7 契約の類型について
3−8 自由人の労働
3−9 委任
3−10 組合
3−11 寄託,銀行
3−12 bonorum possessio
3−13 嫁資 dos,ususfructus,fiducia,そしてusucapioの付加的要件
4 所有権概念の登場とその帰結
4−1 新しい現実
4−2 占有概念の転換
4−3 領域上の占有を売買する
4−4 過失(culpa)
4−5 契約責任の変貌
4−6 意思 voluntas
4−7 刑事訴訟の新展開
4−8 犯罪の新しい概念
4−9 元首政
5 所有権に基づく信用の諸形態
5−1 locatio conductio
5−2 質権
5−3 債権信用
5−4 condictio 周辺の新動向
5−5 保証
5−6 特有財産 peculium
5−7 民事訴訟の変容
5−8 争点決定 litis contestatio
5−9 身分法の変容
6 「ローマ法」伝播に関する簡単な注記
6−1 元首政期以降の状況
6−2 ユスティニアーヌスの事業
6−3「ロ−マ法」の再発見
6−4 人文主義法学
6−5 実証主義
6−6 現代
欧文索引/和文索引
▼プロフィール
木庭 顕(こば あきら)
1951年生まれ。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。
『法存立の歴史的基盤』(東京大学出版会、2009年)で、日本学士院賞を受賞(2011年)。
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