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高山宏『新人文感覚2 雷神の撥』

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A5判 上製 1008頁
本体価格 13,000円+税
ISBN 978-4-904702-29-1 C0070
2011年11月刊行
ブックデザイン 馬面俊之
印刷 精興社
製本 牧製本印刷

*高山 宏 『新人文感覚』全2巻
学魔・高山宏のここ15年間の集大成。全2巻、原稿枚数3500枚、図版840点。
数枚のエッセイから、60枚におよぶ論考まで、各87本収録。
『新人文感覚1 風神の袋』

▼書評・記事

▼概要
各編タイトルの曲芸振りに始まり、
知の仏壇返す離れ業で本文を締める。
これじゃあ雷さまも撥鳴らして
アンコール叫んじゃうタカヤマ文芸座!  
──荒俣宏 (帯文より)

フィギュラリズム、マンガ、笑い──マニエリスムの歴史と表象を闊歩する!

[目次]
1 たかが英文学、されど英文学いのちがけ
 カタけりゃいいってもんじゃない──アルス・アマトリア論文術 
 桃山時代へスリップ・イン 
 図書館の五万数千冊のカード化に明け暮れた日々
 マガジニズムという「小さな」マニエリスム
 翻厄こんにゃく、或は命がけ
 訳者の告白
 この訳、機知甲斐ざたにつき──『フィネガンズ・ウェイク』解題
 腐海の風景
 キュアリアス・ビューティ──ウォルター・ペイター
 Born to be Wilde
 クリティックなんて「プー」!──A・A・ミルン文学の「プー」ラドックス
 プーはそこに降りて──子供部屋の中の森について
 児童が問う百科、児童を問う百科
 松岡正剛『遊学』
 巽の方角に宝あり
 椿説・由良君美の周辺
 舞台吹き抜く松風のごとく
 
2 アリス・イン・ジ・アンダーグラウンド 1960s
 あまりにもボヘミアン──ルイス・キャロル新考
 意味に風穴──六〇年代のキャロル・リヴァイヴァル
 送──僕らは龍を殺せるか
 ラビリンスの時代
 アリス・イン・フィギュアランド
 アリス・リミナル──ヤン・シュヴァンクマイエルとドロテア・タニング
 「スラヴ」という世紀末的パラミーター
 東欧が生んだ極上の不条理アート
 「自然の歴史」のメタ映像化──ヤン・シュヴァンクマイエル作品集
 アニメーティッド・ハウス──シュヴァンクマイエルとゴシック小説
 69、何てエロチック──ヤン・コット追悼
 ローマ発、異貌の英文学──マリオ・プラーツ
 マニエリスムのキケロー
 新世紀シェイクスピア、いよいよ面白く──二〇〇〇年シェイクスピア祭記念講演
 目を閉じて見る場所
 パラドックスの毒
 オンブロマニア──プロジェクションの近代史
 四世紀たった今
 近代的視覚空間の魅惑と閉塞を“視覚化”したやなぎみわの創意
 夢の時間をありがとう

3 「マンガは萬画である」
 こうしてくるんとひとまわり──絵本表象論・覚え
 メディア・コミックス──わずか四十年で四百年全表象史を駆け抜ける
 アニメーティングなもの──少しおおげさかも知れない
 天真爛漫百貨店──『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』
 ぼくらを救った青春球場──『巨人の星』
 ちば漫画の魅力──コマの中の空間の広がり
 一九六九、青春東大望都暮し

4 見えるものはこんなにも楽しい(Ⅱ)──表象論応用篇
 フィギュラティーフ──マサンのコレクションに寄せて
 メディア・ポエティックス──『オルペウスの声』と『メディアの法則』
 「カトリック・パラノイア」の二十一世紀への遺言──マクルーハン『メディアの法則』
 レター・コンシャス
 遅さの豊かさ──エピストラリー・モード
 電話が十七世紀からかかってくる──テレフォニックス論
 球体ミレ二ア
 近代が載る奔放なテーブル──OEDへの感謝
 辞書放蕩
 インテリア・バード──鳥、女、表象
 遊弋する図像──クジラのイメージ瞥見
 商標図像学入門
 ヨハネ黙示録の終末界を行く
 フォーリング──多岐にして不可解なる世紀末に
 「鳥の目」の文化史
 鳥の目と虫の目──鳥瞰の近代史
 月へトリップ──戸川純 讃
 建築的創造力

5 ホモ・リーデンス(笑うヒト)になる──山口昌男 讃
 夥しさの図像学
 「笑い」が癒す遠近法の中の近代──一九六〇年代後半の「方法としての笑い」
 逆説を弄す安吾
 馬なき騎士が荒地を行く──『モンティ・パイソン』と『ホーリー・グレイル』
 スラップスティック・シックスティーズ──トランスパーソナル心理学と
 境界走殺──世紀末、「走り」の意味論
 しまいにゃ笑うぞ──天才たけしの元気が出る世紀末
 「ぼくんち」と呼ばれた笑い
 郷愁映画のような昭和二十年代
 ある夜のマレビト
 
6 マニエリスム、今日は──種村季弘 讃
 終りのはじまり──種村季弘先生追悼
 さよなら、カマラーデ──若桑みどり先生追悼
 前衛と求道──多木浩二先生追悼
 身内と胎内──『失われた庭』の僕
 細部近代論覚え
 メディアの中の忍者学──六方手裏剣に仮託されたマニエリスム時代のトリックスター
 あらかじめ否定された「あとがき」──澁澤龍彦『サド復活』
 「常数」としてのマニエリスム──ホッケ『迷宮としての世界』
 イギリスからはじめて、話しはドイツ、フランス、イタリアなどユーロ圏に及ぶ──ネオ・バロック小説のこと
 怪物の世界──「凶事」としてのロマン
 ほう、ホッケ教!
 マニエリスムの翻訳、翻訳のマニエリスム
 エンサークルメント──冲しきが若し
 物語としてのキュレーション
 
7 さよならだけが人生だ
 往生の物語──二〇〇二年七月

雷神口上
初出一覧/事項索引/書名索引/人名索引

▼プロフィール
高山 宏(たかやま ひろし)
1947年 岩手県に生まれる
1974年 東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了
現  在 大妻女子大学比較文化学部教授

[主要著書]
『アリス狩り』(青土社、1981、新版2008)
『テクスト世紀末』(ポーラ文化研究所、1992)
『ブック・カーニヴァル』(自由国民社、1995)
『カステロフィリア──記憶・建築・ピラネージ』(叢書メラヴィリア1、作品社、1996)
『エクスタシー──高山宏椀飯振舞I』(松柏社、2002)
『近代文化史入門──超英文学講義』(講談社学術文庫、2007)[『奇想天外・英文学講義』(講談社選書メチエ、2000)を改題]
『超人高山宏のつくりかた』(NTT出版、2007)
『かたち三昧』(羽鳥書店、2009)
『新人文感覚1 風神の袋』(羽鳥書店、2011)
『夢十夜を十夜で』(羽鳥書店、2011)

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