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齋藤希史『漢文スタイル』

¥2,860 税込

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四六判 上製 306頁
本体価格 2,600円+税
ISBN 978-4-904702-09-3 C1095
2010年4月刊行
ブックデザイン 原研哉+中村晋平
カバー写真 東野翠れん
印刷 大日本法令印刷
製本 牧製本印刷

▼書評・記事
『朝日新聞』2010年6月13日「漢文の大水脈 日本文学の底に 評・田中貴子(甲南大学教授)
『読売新聞』2010年6月20日「多彩な味わいを伝える」 評・蜂飼耳(詩人)
『東京人』2010年8月号 Close up TOKYO Books「中国、空想旅行の場としての。」評・苅部 直(東京大学教授)
『新潮45』2010年9月号 書物の森「魅力的な漢文エッセイ」評・正津 勉(詩人)
『日本経済新聞』2010年10月17日「活字の海で」にて 「漢文を楽しくやさしく──奥深い世界伝える本、相次ぐ」
『東京大学教養学部報』533号(2010年11月4日)「軽やかに越境する」評・品田悦一(東京大学准教授)
『趣味の水墨画』2010年12月号(ユーキャン) 書物の森「いわゆる教科書的な漢詩に関する本のたぐいではない」
『読売新聞』夕刊2010年11月22日 本よみうり堂「漢文関連本の出版相次ぐ」「時空超えた対話が魅力」
『朝日新聞』2010年12月19日 書評委員お薦め「今年の3点」評者:田中貴子(甲南大学教授・日本文学)
『書道美術新聞』2011年2月1日号(美術新聞社)「話題の本」

『朝日新聞』2013年8月19日「天声人語」
「「緑陰読書」という言葉がある。夏休みの読書をそう称することが多い。中国文学者、斎藤希史さんの『漢文スタイル』によると、それほど古い言葉ではない。日本では、江戸後期の頼山陽の漢詩にその典拠らしい句が見られるという」。 

▼概要
隠者・詩人・旅人たちがめぐる読書の宇宙
不楽復何如!──こんな楽しみまたとない

中国古典文学と清末―明治期の言語・文学の研究者である齋藤希史氏によるエッセイ集。東京大学出版会の『UP』誌連載中の「漢文ノート」(1~12回)や『芸術新潮』2008年8月号・北京特集の「北京八景――記憶された町」など、計22編を収録。著者がひらく漢詩文の世界。国を超え、時代を超えて隠者・詩人・旅人たちがめぐる読書の宇宙へと読者は誘われ、ともにひとときを游ぶ……。いわゆる授業科目としての印象を持たれがちな「漢文」をあえてタイトルに掲げ、漢文脈の可能性と、漢詩文の世界の楽しみ方を伝える一冊。

平成22年度 第19回 やまなし文学賞 (研究・評論部門) 受賞

[目次]
Ⅰ 詩想の力
 1 隠者の読書、あるいは田園の宇宙
 2 自然を楽しむ詩
 3 詩人の運命
 4 詩讖──詩と予言
 5 天上の庭──「玄圃」
II 境域のことば
 1 北京八景──記憶された町
   密かな愛着
     第一景 芥川龍之介『支那游記』
   幸福な時間
     第二景 袁宏道「秋日同梅子馬方子公飲北安門」
     第三景 龔自珍「丙戌秋日独遊法源寺」
   胡同の神さま
     第四景 金受申『北京の伝説』
     第五景 奥野信太郎『随筆北京』
   町の音
     第六景 老舎『駱駝祥子』
     第七景 愛新覚羅溥儀『わが半生』
   ふたりの希望
     第八景 魯迅+許広平『両地書』 
 2 訓読の自由
 3 来たるべき国語
 4 思惟する主体
     漢文脈の核心/漢籍の素読/韓愈の文章/教養と主体
 5 旅人の自画像
     旅行記の時代/漢学者の中国紀行/新聞記者の耳目/志士の渡航記/
     志士から留学生へ/鷗外の誇り/鏡の中の漱石/文化論の誘惑/街角の異邦人
III 漢文ノート
 1 下宿の娘
 2 詩のレッスン
 3 恋する皇帝
 4 緑陰読書
 5 風立ちぬ
 6 黄色い鶴
 7 花に嘯く
 8 不如帰
 9 窈窕たる淑女
 10 日下の唱和
 11 天朗気清
 12 赤壁の月
あとがき/初出一覧/人名索引

▼ プロフィール
齋藤希史(さいとう まれし)
1963年千葉県生まれ
京都大学大学院文学研究科博士課程中退
京都大学人文科学研究所助手、奈良女子大学文学部助教授
国文学研究資料館文献資料部助教授
東京大学大学院総合文化研究科准教授、教授を経て
現在 同大学大学院人文社会系研究科 教授

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