迫田司『四万十日用百貨店』
¥2,200 税込
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四六判 並製 232頁
本体価格 2,000円+税
ISBN 978-4-904702-04-8 C0036
2009年10月刊行
ブックデザイン 原 研哉+中村晋平
カバー写真: 吉原愛子
印刷 サンエムカラー
製本 清水製本所
▼書評・記事
▼概要
四万十在住デザイナーの痛快エッセイ
モノから見えるヒトと風景
高知県・四万十川支流沿いの小さな谷「イチノマタ」に住むデザイナーの著者が、モノから見えるヒトと風景をつづったエッセイ「四万十日用百貨店」(2007年10~12月、高知新聞に56回にわたって連載)を全文掲載。約2年後の2009年夏、記事に紹介されたモノを集めた個展が東京で開催されることになったいきさつを書き下ろし、個展風景をカラー写真で収録する。田んぼを耕しながらデザインを生み出す著者ならではの視点をとおして、山あいの小さな谷からニホンを見晴らす。
[目次]
プロローグ
ぼくの谷 一ノ又
谷のしくみ/谷のしくみ図/ぼくの谷マップ
四万十日用百貨店(展) ★個展写真
谷から見える人と風景
[商品番号1 軽四トラック]運搬だけではない 市場になる のみ屋になる ステージになる
[商品番号2 肥料袋]イガグリも歯が立たない強靭さ「四万十お裾分け袋」の大定番
[商品番号3 トタン波板]収穫を告げる「栗ドラム」米を守るチープな万里の長城
[商品番号4 たにご]なんでも洗える流れる洗い場 水と人の「暮らしの源流点」
[商品番号5 薪]自然の変換技術を体得すれば本物の「御馳走」にありつける
[商品番号6 酒]唇湿ると滑る人間関係 酔わねば祝えない幡多方式
[商品番号7 沈下橋]じいさんの皺のような重厚感 最後の川の「最後の橋」を楽しむ!
[商品番号8 くわ]背中で叩けばカエル探知 鰹のマイくわ・マイ藁焼き
[商品番号9 藁]テクノロジー超えた万能結束力 人と神と自然を固く、緩く、結ぶ
[商品番号10 石窯]素材も燃料も自ら調達 「ただ」という窯の中の「豊かさ」
[商品番号11 酵母]菌も証明 四万十の天然の力 職人御墨付きの「四万十酵母」
[商品番号12 鹿の角]生前の悪事を帳消しに 名刀は飾らない帽子掛け
[商品番号13 害獣オリ]野生猪のリアルな動物園 命のやりとりを直視する
[商品番号14 ふみきり]風が通る自由な「ふみきり」で 止まって何を見るべきか考える
[商品番号15 漬物]手に漬けこまれた技術 風景全部をおいしく変換
[商品番号16 蜂防護服]キンチョールの二丁拳銃 獅子の城を制圧する戦闘服
[商品番号17 麦わら帽子]田畑という荒野を行く 百姓カウボーイのシンボル
[商品番号18 うなぎばさみ]天然のヌルヌルは苦かった 安来節を封印する鬼の歯
[商品番号19 天然コンロ]男同士の意地が極めた 天然鮎専用の炭火コンロ
[[商品番号20 黒パイプ]身体で覚え込んだ物理学 生きた水を扱う本能の力
[商品番号21 はがま]「自分の風景」とは何なのか その答えを証明してくれる釜
[商品番号22 おくどさん]水と土を太陽と人々に感謝 米に成仏してもらう最終装置
[商品番号23 氏神様]「森」という氏神様のお宅 身の上をじっくり相談
[商品番号24 まじない帖]自然のなりゆきに逆らうな 忘れた心を取り戻す帳面
[商品番号25 うたい]日本古来のミュージカルに学べ 節回しのよい「人生応援歌」
[商品番号26 炭]自分で生み出し、取り扱える 人に任せない「エネルギー」
[商品番号27 ホーロー風呂]環境へ「本当」にやさしい 五右衛門風呂に下心はない
[商品番号28 薪ストーブ]光熱費を百分の一にカット 火の車を救う真っ赤な達磨
[商品番号29 煙突ブラシ]掃除しながら診断する 煙突医院の聴診器
[商品番号30 干し台]技術と知恵を受け継ぐ姿 「おてんとうさま」が見ているよ
[商品番号31 番犬]吠え方で来客情報報告 さえる勘で家族を守る
[商品番号32 おどし]鳥と人との知恵比べ 怖がらせ方は自由だ
[商品番号33 巣箱]すみかなく「番人」減少 環境に能動的でありたい
[商品番号34 ねずみとり]かわいさアピールで保釈!? ねずみに優しい生け捕り器
[商品番号35 ボーメ計]海を食べれば自分がわかる 人と自然を濃縮するはかり
[商品番号36 しゃくり竿]水中で天然鮎と格闘技 しゃくり漁はスポーツだ!
[商品番号37 石鹸]海と山つなぐ「しまんとエコ」 合言葉は「IKIIKI」
[商品番号38 防災無線]朝昼夕、十時と三時はお茶、四万十の暮らしのリズム
[商品番号39 スレート瓦]「お金を使わない」仕事 絆深める「暮らしの修繕」
[商品番号40 枡]風景から生き方が見える 米を入れる米らしい入れ物
[商品番号41 田靴]アース耕す田んぼのブーツ アトム製はブレーク寸前!?
[商品番号42 かなこ]牛でしか機能しない道具 田んぼのサーカス団を見たい
[商品番号43 トロフィー] 夢を獲得した記憶を刻む 挑む力を手に入れた証し
[商品番号44 子ども]「子どものシゴト」復権! メイド・イン・ちっチャイナ
[商品番号45 もち]四万十人は「もち投げ」好き ネットでは検索できない催事
[商品番号46 ガードレール]静かに立つ尖った石たち 世の中に強い警告発して
[商品番号47 チェーンソー]大怪我と背中合わせの作業 時代に振り回される山の価値
[商品番号48 腰なた]一家に一本「土州勝秀」山の経験をあぶり出す刃
[商品番号49 くすり]義と礼のやりとりを処方 四万十の腹くだりを治す
[商品番号50 草]道草パワーの体験処方 「草」で「楽」になるのが「薬」
[商品番号51 葬具]別れるための「しきたり」 死んだときのために生きよ
[商品番号52 竹]ありえない食べられる建材 仰天変貌で宇宙とつなぐ
[商品番号53 空家]「空(から)」ではない学びの場 足跡からの生きるヒント
[商品番号54 安全柵]土建屋さんの未来を示す 安全第一を意思表示する畑
[商品番号55 斧]薪を読みながら汗をかく 道具に身体が制御される
[商品番号56 ポットン便所]「木賃ハウス哲学」の原点 ポットン! 落としてよい年を
[番外編 川のこと]
[番外編 木賃ハウスのこと]
[番外編 田んぼのこと]
[番外編 ユタカサのこと]
[番外編 デザインのこと]
四万十日用百貨店(展) 麻布十番の「レーベルギャラリー」にて
誰も知らない四万十のデザイナーがなぜ東京で個展をするハメになったのか?
迫田司のデザイン/エピローグ
▼プロフィール
迫田 司(さこだ つかさ)
1966年熊本県生まれ。93年、高知県幡多郡西土佐村(現・四万十市)に移住し、2年後「サコダデザイン」を設立。休耕田だった棚田で米をつくりながらデザインに取り組む、自称「百姓デザイナー」。全国から仲間が集う現代の木賃宿「木賃(きちん)ハウス」を主宰。米袋では初となるグッドデザイン賞を受賞(2004年)。地元を愛し地元で活動する各地のデザイナーたちを結ぶネットワーク「地(ジ)デジ」(地・デザイン・ジャパン)を2011年11月に発足。2016年、ビートルズ来日50周年記念アップル・レコード公認オフィシャルロゴマーク作成。
★2009年夏、本書のもととなる新聞記事をベースにした個展「四万十日用百貨店(展)」が、東京・港区三田で1か月に渡り開催された。 レーベルギャラリー
*パネル展示
ジュンク堂池袋本店 2Fでパネルの展示を行ないました(2009年10月末まで)
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