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A5判 上製 384頁
本体価格 3,400円+税
ISBN 978-4-904702-63-5 C0070
2016年9月刊行
ブックデザイン 小川順子
*展覧会情報
神奈川県民ホールギャラリー
鴻池朋子展「根源的暴力」
2015年10月24日~11月28日
http://www.kanakengallery.com/detail?id=33712
群馬県立近代美術館
鴻池朋子展「根源的暴力vol.2 あたらしいほね」
2016年7月9日〜8月28日
http://mmag.pref.gunma.jp/kakoten/h28/h28exh02.htm
新潟県立万代島美術館
鴻池朋子展「皮と針と糸と」
2016年12月17日~ 2017年2月12日
http://banbi.pref.niigata.lg.jp/exhibition/%E9%B4%BB%E6%B1%A0%E6%9C%8B%E5%AD%90%E5%B1%95/
▼書評・記事
共同通信/各紙 2016年10月16日
美術家が記す回復の記録(評者:椹木野衣)
「本書は、東日本大震災を経て、それまでの型にはまった自分の表現にまったくリアリティーを持てなくなった著者が、次第に作ることを回復していく現在進行形の記録である。その際、重要な導きの糸となったのが、動物という存在だった。‥‥」
『朝日新聞』 2016年10月30日
現代社会揺さぶるアートの力(評者:大竹昭子)
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2016103000003.html
『朝日新聞』 2017年3月9日 折々のことば 689(鷲田清一)
本書からの一節が引かれています。 http://www.asahi.com/articles/ASK383VWFK38UCVL004.html
▼概要
人間の思索のみに閉じるアートに、皮膚の森から啼き声があがる──
アーティスト・鴻池朋子が、東日本大震災をきっかけに芸術の始まりに立ち戻り、人間がものをつくることを問い直す。さまざまな専門家との対話と、書き下ろしを収録。
対話の旅
矢野智司(教育人間学)、石倉敏明(芸術人類学)、吉川耕太郎(考古学)、村井まや子(比較文学、おとぎ話研究)、福住廉(美術評論家)
[目次]
風が語った昔話
描くことも食べることも
I あたらしい声
人間と動物の境界に出現するアート 矢野智司
動物絵本という謎──いつも動物がでてくる不思議
生命を開く動物絵本──子どもが動物になる
アートが開く生命のへの途──洞窟から都市空間へ
世界を区切る境界線の生まれるところ──始原へ
「人間の向こう側」へ 石倉敏明
「新しい地図」を描く試み
ひっくり返された世界像
つくれないアーティスト 鴻池朋子
トークセッション 矢野智司×石倉敏明×鴻池朋子
交換の原理を突破する
食べる食べられる関係
地球の穴とパブリックアートの役割
土の下の大きなウサギ
都市の起源にある暴力
II ダイアログの旅
「贈与」と「交換」 矢野智司×鴻池朋子
複数のドア
私とは何者か?と、問わない私とは何か
私の言葉は私のつくった言葉ではない
書き残さない人
物が異質な何かに変わる瞬間
生々しすぎるもの
賢治と似たような人々
「最初の先生」は何度も生まれてくる
森のなかの一軒家
既存を揺さぶるもの
世界の掴み方
贈与によって開かれる異類婚
初めてつくるもの 吉川耕太郎×鴻池朋子
始めてつくるもの──石器の出現
組み合わせる魔法
考古学が不得意である「心」
分類しないことで見えてくるもの
生きものが見渡せる町
狩猟──動物の擬人化
針と皮鞣し
切り離す男性、つなぐ女性
目に見えない文化
同じものではいられない 村井まや子×鴻池朋子
歴史的分類以外の分類──ポテトスープのつくり方
異類婚の花嫁衣装を縫う
使えるものは何でも使う
出現してきた父性
本当に恐ろしいものに出会うために
同じものではいられない──変身
見てはいけないものを見る
おとぎ話の一読者であること
wonder を引き出す
wonder を共有する
夜の山を歩く子 福住廉×鴻池朋子
誰にでもできるもの
そこに私はいませんよ
そこにこそ何かがある
夜の山を歩く子
美術と無関係であるとは言わせない
起こっている途中
III どうぶつのことば
想像力
動物、猟
動物の言葉を借りにいく
旅にでる
「東北を開く神話」の声
地球の穴とパブリックアート
「美術館ロッジ」
飛ぶ小屋
氷結する絵
物語るテーブルランナー
自分の体験をオーブンで焼く
人間以外の声
地球の断面図
狼の下半身
地球はふたたび凍りはじめる
狼頭巾をかぶる少女
ある三匹の語り
東北の博物館職員の語り
ある人類学者の語り
ある女性の語り
皮緞帳をくぐり
▼プロフィール
鴻池 朋子(こうのいけ ともこ)
1960年秋田市生まれ。東京芸術大学日本画専攻卒業後、玩具と雑貨の企画、デザインの仕事に携わり、その後絵画、彫刻、アニメーション、絵本などの手法を駆使したインスタレーションで現代の神話を描き続ける。近年では、海外でのグループ展の他、ワークショップも国内外で多数開催。秋田では「東北を開く神話展」、人間と野生の境にある秋田県森吉山避難小屋での「美術館ロッジ」、歴史には記されない現代の民俗を記録する「物語るテーブルランナー」などの継続的なプロジェクトを行い、一方で、開発と地形の問題からパブリックアートの制作を続ける。
*著作
『インタートラベラー 死者と遊ぶ人』(羽鳥書店、2009年)
『焚書 World of Wonder 』(羽鳥書店、2011年)
『根源的暴力』 (羽鳥書店、2015年)
鴻池朋子 公式HP http://tomoko-konoike.com/
VOLCANOISE http://www.volcanoise.com/
レビュー
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